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貴方side
あの後、私は壁をすり抜けて可愛らしい小さな屋敷に連れてこられた。
初見では気付かなかったが、私が珠世サンに触れるたびに大声を上げていたのは珠世サンガチ勢の愈史郎だった。どうりで元気がいいわけだ。(?)
珠世「そこへかけてください。
愈史郎、何か飲み物を出してください」
『いいよ、そんな気ィ遣わなくても』
私は言われた通り、近くにあった木製の椅子に腰掛けながらそう言った。
正直、正座のほうが楽でいいんだけどな…
愈史郎「無礼な奴だな。
珠世様が飲めと言っているんだ。黙って飲め」
『えェ……じゃあいちご牛乳で』
愈史郎「贅沢言うんじゃない。紅茶にしろ」
『わかったよもうそれでいいよ』
ブツブツと文句を言いながら紅茶を淹れる愈史郎を横目に、私は小さく溜め息をついた。
さっきから何なんだコイツは。
珠世サンの意見にちょっと背いただけで、すぐに批難してくる。しかもなんか漫画で見た炭治郎へのあたりと私へのあたり全然違うし。酷いし。ストレス溜まってんのかな。(心配)
愈史郎「珠世様、どうぞ」
『おっ、あざーっす』
愈史郎「貴様は珠世様に許可を貰ってから飲め」
『いやめんどくさ。』
こういうところ。
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珠世「それで、さっそく貴方に聞きたいことがあるんですが…」
珠世サンは愈史郎のクソみたいな態度とは正反対に、少し遠慮気味に尋ねてきた。
私はカップを机に置いて、急いで姿勢を正した。
珠世「……縁壱さんをご存知ですね。」
『縁、壱…?』
思っていた質問と違ったことに驚いた。
いや、それ以上に、珠世サンの口から縁壱の名前が出てきたことに驚いてしまった。
珠世「縁壱さんが無惨を追い詰めたあの日、貴方はいなかった」
『あァ…あの日は無惨に来るなって言われてたからね』
無惨が縁壱によって追い詰められて弱体化していたのを知ったのはその日から随分日が経った頃だった。
珠世「無惨は自尊心が非常に高い男です。きっと、自分の醜態を貴方に見せたくなかったのでしょう」
『うわ余計ガチっぽい』
珠世「それに、あの日縁壱さんは貴方のことをお話していたんです」
『…へぇ、縁壱が』
縁壱が私の話をしていた。
その言葉がまるで始まりの合図かのように、珠世サンの口からは、今まで私が知りもしなかった事実が次々溢れてきた。
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レイレイン - 高杉だッッ…!!!!!の所が好きです!私、中の人ネタ好きなんですよwww (2021年4月6日 20時) (レス) id: 5a04a92c31 (このIDを非表示/違反報告)
土方雷羅(偽名) - あー!続き気になるぅ! (2020年12月22日 17時) (レス) id: e501354a5d (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - ちらちゃんさん» あ、占いツクールですか?来れたら教えてね! (2020年12月18日 6時) (レス) id: 02e747571d (このIDを非表示/違反報告)
ちらちゃん(プロフ) - ミミさん» すみません、見たいんですけどウェブ利用制限がかかっているので、後ほどPCのほうで見たいと思います!申し訳ないです(;_;) (2020年12月17日 22時) (レス) id: 843b1d66ba (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 以前言っていた今手をつけている設定欄書き終えました!来てみて下さい! (2020年12月17日 21時) (レス) id: cbdaf79d75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちらちゃん | 作成日時:2020年5月24日 0時