カフェ・ジャンプ～光を失う前に～ (ページ5)

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・りゅーねページ5

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リューネの花は、いわゆる風邪薬の材料の１つである。淡い薄緑色の花で、精霊のような美しさと儚さを持つ花だからと別名・精霊花とも呼ばれている。

それほど珍しい花ではない。暑さに弱く真夏はすぐに枯れてしまうが、今は残暑も消えかけの秋始め。最近は涼しい日も増えてきたので、10本ならすぐに見つかるだろう。

こう言った風邪薬の材料だったりする採取系の依頼は《定期依頼》と呼ばれ、毎月の始めに依頼ボードに張り出されるようになっている。

「ねぇ裕翔、この依頼……」

「……圭人も思ってた？これ、定期依頼の割にランクが高すぎる」

定期依頼は、初心者や子どもが受けることができるようEまたはDランクであることが多い。

ちなみに、ギルドランクは依頼を受けるにあたっての実力の証明のようなもので、依頼に載っているギルドランクは依頼の難易度からこのランクからなら余裕を持って依頼を受けることができるだろうという最低基準になっている。

ギルドランクは下から、E D C B A AA AAA S SS SSS Xと11段階になっている。

AAAランクまではギルド無所属冒険者でも実技試験を受ければなることができるが、Sランクからはギルド所属が条件となっており、更に筆記試験も入ってくるため、文字の読み書きや計算が出来なければならない。

この世界では紙は貴重な物である。そのため入手は貴族や一定上の収入のある者以外は困難なので、文字の読み書きができずとも生活する者の方が多いのだ。

閑話休題。

Cランクは、初心者を卒業した中級者のランクである。一定上の収入には届かないが、平民であれば生活はして行ける程度の収入と実力があると認められたランクなのだ。

過去には二つ名が付いていた俺たちにとって、Cランクは片手間程度で行える簡単なものだ。それが定期依頼となれば散歩がてらにでも行える。

「ここら辺でリューネの花が咲いているのって、この森だけだよね？」

「うん。ここは魔物もいないし、大型の動物もいない穏やかな場所……」

「子どもでも遊び場にするほどのここが、Cランクっておかしい」

依頼手続きの時には何も言われなかった。俺たちなら大丈夫だと思われたのか、言い忘れたのか……。

わからないが、調べてみる必要がありそうだった。

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