Reborn２【ハリーポッター】 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:6,263 hit

54.Two faced ページ4

.

.

｢この鏡はどういう仕掛けなんだ？どういう使い方をするんだろう？ご主人様、助けてください！」

みぞの鏡を使って賢者の石を得ようとクィレルが必死になっていた時。別の声が答えた。しかも声はクィレル自身から出てくるようだった。ハリーもAもぞっとした。

｢その子を使うんだ……その子を使え……」

クィレルは低く嗄れたその声に従い、ハリーをみぞの鏡の前に立たせた。

｢どうだ？」

クィレルが待ちきれずに聞いた。

｢何が見える？｣

ハリーはちらっとAの方を向いた。賢者の石を手に入れたのだろう。作り話の内容を考えているようだった。

｢僕がダンブルドアと握手をしているのが見える。僕……僕のおかげでグリフィンドールが寮杯を獲得したんだ｣

｢こいつは嘘をついている……嘘をついているぞ…｣

高い声が響いた。クィレルの声ではない。

｢俺様が話す……直に話す……」

｢ご主人様、あなた様はまだ十分に力がついていません！」

｢このためなら……使う力がある……｣

Aもハリーも、クィレルがターバンを解くのを石のように硬くなったままで見ていた。何をやってるんだろう？ターバンが落ちた。

ターバンをかぶらないクィレルの頭は、奇妙なくらい小さかった。クィレルはその場でゆっくりと体を後ろ向きにした。

｢...！｣

クィレルの頭の後ろにはもう一つの顔があった。恐ろしい顔だった。蝋のように白い顔、ギラギラと血走った目、鼻孔はヘビのような裂け目になっていた。

｢ハリー・ポッター……」

｢このありさまを見ろ」

顔が言った。

｢ただの影と霞にすぎない……誰かの体を借りて初めて形になることができる……しかし、常に誰かが、喜んで俺様をその心に入り込ませてくれる……この数週間は、ユニコーンの血が俺様を強くしてくれた……忠実なクィレルが、森の中で私のために血を飲んでいるところを見ただろう……命の水さえあれば、俺様は自身の体を創造することができるのだ……さて……ポケットにある『石』をいただこうか」

彼は知っていた。ハリーはよろめきながら後ずさりした。

｢A、君には俺様と一緒に来てもらう。その小僧が用済みになった後でな｣

不気味な顔がニヤリと笑った。Aはヴォルデモートを睨むことしか出来なかった。

｢そんなの僕が許さない｣

｢バカな真似はよせ」

顔が低く唸った。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

two faced_二面相。