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朦朧/5 ページ6

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「 だ、太宰……? 」

「 Aは先ず地下に潜って過去を洗わないといけないけれど……でも待てるから私 」

「 ちょ、一寸待って 」

「 ねえ、君は何時まで中也の傍に居る心算だい?そろそろ私の時間だよね 」

「 ほんとに、何の話? 」


川端は、正直困惑していた。太宰の言葉の意味が理解出来なかったからだ。転職先を斡旋してくれるなら大喜びだが、寄りにも撚って自分のいる組織と敵対する組織に転職するのは、幾ら何でも気が引ける。


「 __それとも……今直ぐAを攫ったら、中也はどんな顔をするだろうね? 」

「 え 」


その時引き戸であるにも関わらず、押されるような衝撃音が聞こえて扉が倒れてきた。川端が驚く間もなく、ずかずかと入って来た人物が川端の手を握っていた太宰の腕を掴みあげる。


「 __テメェの面会時間は早っくに過ぎてンだよ 」

「 ……ちぇっ 」

「 中也 」


扉を蹴り倒して入ってきたのは中原中也だった。太宰は舌打ちの後振り払うように腕を取り戻す。

中原は太宰と川端の間に割り込むようにベッドの上に座る。川端はその間、扉のことをどうやって言い訳しようかということを懸命に考えていた。上司は何時でも横暴で乱暴で、少し優しい。


「 おい青鯖、テメェ随分焦ってんじゃねぇか。何企んでんだ、全部吐け 」

「 ……バレちゃった? 」

「 え?何が?何の話? 」


「 いやね、表向きは君が私以外に泣かされたことと、中也への嫉妬ってことにしているし、実際そうなんだけれども 」


太宰はあっけらかんと何でもないようにそんなことを呟くと、少し考え込むように腕を組んだ。中原は長年相棒をやっていた勘からか、まさか、というような顔をした。


「 少し先に起こることに、君を巻き込みたくない。……君は今回のことで大分無茶をしたよね、私は怒っているのだよ 」

「 ……少し先に起こること? 」

「 唯の気の所為であって欲しいが……君はきっと、危ない目に遭う 」


呪いのようなその言葉に、川端は身動ぐ。ガサガサと布団が音を立てて、一瞬間に個室がしんと静まった。


「 御免、気が付くのが少し遅くなってしまった。__あの男(、、、)は、もうこのヨコハマにいる 」

「 ……っ糞ッ、折角安吾に頼んだのに… 」

「 最悪、竜頭抗争みてェなことになりかねねェ。……詰り、何が云いたいんだテメェは 」


三者の双眸がゆるりと揺れた。張り詰めた空気に一番最初の言葉が放り出される。


「 Aは、私の傍に居た方が良い。そうしたら守ってあげられるから 」



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ねむい(プロフ) - kuroさん» こんにちは、本当にありがとうございます!とても励みになります!これからもどうぞよろしくお願い致します! (1月24日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - この先の展開がとても気になります!更新頑張ってください! (1月24日 8時) (レス) id: f9572c4e12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむい | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年1月19日 23時

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