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うつし世は夢/3 ページ34

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このヨコハマの都会な街並みには珍しい昔ながらの駄菓子屋で、ふたりはしゃがみこんで真剣に菓子を選んでいた。乱歩は、両手にチョコレヰト菓子を持って睨めっこしている川端の横顔を見つめて、口を開いた。


「 ねえ、A。 」

「 はい?ああ乱歩さん、これとこれ、どっちにしようか悩ましいんですけど 」

「 昨日の夜、社長が襲撃されたんだけど。君は何かその事について、関係があるの? 」


は、と目を見開く川端を見て、彼はどうやら本当に知らないようだと判断をした。川端は持っていた駄菓子を元の位置に戻し、乱歩の方にしっかりと向き直る。


「 福沢殿が、ですか 」

「 福沢殿……あれ、そう云えば。思い出した、君は与謝野さんの一件のとき。あの喧嘩(、、)のとき、あの場にいたよね? 」

「 あぁ……確かにいましたね。三刻構想の実現後まもなくだったので、森さん(、、、)に死なれては困ると思って 」


両者ともにやりと微笑んだ後、乱歩は立ち上がった。つられて川端も立ち上がる。


「 社長を襲撃した人物は仮面をつけていたらしい。僕が解っているのだから、君も解っているのだろう? 」

「 はい。だから首領には出歩いて貰ってるわけだし、因縁がありそうな芥川を配置しました 」

「 成程。でもね、A。社長はね、正体不明のウイルスに倒れたんだ 」


その時、近くから物凄い爆発音がして、辺りが騒然とし始める。まさか、こんな大きな爆発だなんて。


「 ら、乱歩さん 」

「 行った方が良い。次に会うときは敵同士だけど、お互い、組織の長が死んだら困る立場だ 」


走り出した川端に背を向けて、乱歩は歩き出した。そう、互いに社長たちが死んだら困るのに。敵の狙いは、探偵社とマフィアを潰し合わせることとしか考えられない。


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刺されたぞ、なんて声が聞こえて、川端は想定以上の自体に青ざめた。真逆、自分の作戦で首領がここまで傷つけられるなんて。


「 首領っ!ちょっ、退いてください! 」


野次馬を掻き分けると、前から走ってきた警官とぶつかりそうになる。行くなら普通逆方向だろうに、不審に思って川端はその人の顔を覗き込んだ。


「 誰かと思えば、Aくん 」

「 フョードルくん!? 」


視線が交差したあと、自分を追い越した彼を振り返るも、そこには誰もいなかった。何故、フョードルくんがこの現場に。考えられることはひとつしか無いけれど。


「 首領!……森さんっ! 」


駆け寄って、大量の血の中に踏み込んで、川端は絶望した。



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ねむい(プロフ) - kuroさん» こんにちは、本当にありがとうございます!とても励みになります!これからもどうぞよろしくお願い致します! (2020年1月24日 23時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
kuro(プロフ) - この先の展開がとても気になります!更新頑張ってください! (2020年1月24日 8時) (レス) id: f9572c4e12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむい | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年1月19日 23時

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