虚しさの欠片 ページ15
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「 私、大丈夫だから！ 」
息を吸って、嘘を吐く。二酸化炭素の代わりに吐いた嘘は心臓を締め付けていくようだ。思えばいつも、大丈夫という言葉で自分を傷付けていた。大丈夫 その言葉を口にすることは、自傷行為に等しいのかもしれない。
「 無理に嘘つくな 」
彼は叫ぶ。あぁ、まただ、彼の瞳に吸い込まれそうになる。これで何度目か分からないほど、その優しさはブラックホールのようなのだ。
「 この始発で、絶対また会いに来るから 」
「 …うん、またね 」
「 きっとまた、すぐ会える 」
「 また、ね 」
彼の足がステップを踏んで電車のドアが閉まった。涙が一粒落ちて、プラットホームに染みを作る。
いかないで と彼に届かないよう呟いた。伝えてしまったら、きっと彼はここに残ってしまう。冷たくて、哀しい駅に。そんなのは、私の弱さみたいで少し嫌だから。
これはきっと、私が創った世界。きっと、彼の夢の中。最終列車ではなくて、始発だというのが皮肉で笑えてくる。夢の中、本当に彼に触れられることは もうありえないのだ。
明日の始発、彼が来るという確証は得られない。プラットホームのアスファルトにある彼の軌跡をなぞるように、こんなところにも音を残していったのか と思いを馳せた。
ポケットの中には、この世界に来て一度だって開かなかった紙が入っている。
その紙を出して、折り目に触れると 虚しさが零れた。もう一度、この“ 楽譜 ”を読んでみようか。
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楽譜を開いた。
漏れ出した感情に任せて、旋律を思い出す。
一番上に、“ 駅のアイツに捧げる歌 ”なんて書いてあって、そのネーミングセンスに苦笑。
この歌は確かに、ラブソングで。
そして、確かに最後、小節が途切れていたのだ。
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ねむい(プロフ) - ONEさん» ひいいいそこまで言っていただけるとは本当に嬉しい限りです、、恐縮極まりないです…（？）この後も、どうぞよろしくお願い致します…！ (2018年1月9日 22時) (
レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
ONE - グッスン、グッスン(泣いてる、、) だぁぁぁぁ感動したぁぁぁぁ。何！？この悲しく切ないラブストーリーは！？。泣き過ぎて鼻水がでるぅぅぅ \( ^ ○ ^ )/オワタ。 (2018年1月9日 14時) (レス) id: c55778ed91 (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - 鶴永ルアさん» とても嬉しいコメントありがとうございます。頑張らせていただきます。よろしければこの後も、宜しくお願い致します！ (2017年12月31日 14時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
鶴永ルア(プロフ) - 凄く感動しましたー！続きを早く読みたいです!!応援してます、更新頑張ってください(*´`) (2017年12月31日 14時) (レス) id: 51a0d5722b (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - 理音さん» ありがとうございます。細かい台詞まで、そして綺麗と言っていただき本当に嬉しいです。色々伏線立てまくってるのでよろしければこの後もよろしくお願い致します！ (2017年12月30日 12時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむい | 作者ホームページ：
作成日時：2017年12月27日 21時
