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鳴かぬなら 殺してしまえ/3 ページ15





「 ええええ、情報屋の拷問〜?面倒くさい! 」

「 か、川端先輩、ですが首領直々の命令と中原幹部が仰って… 」

「 中也がやればいいじゃんそんなの!でもまあ行くよ!やらないと今度こそ殺されそう! 」





靴を鳴らして其の階段を降りて行った。地下牢は雰囲気やばいから嫌いなんだよなぁ、絶対お祓いしたほうがいいって!地縛霊うじゃうじゃでしょ!


「 で、彼の人? 」

「 は、はい、其のようですが 」


独房に入っていたのは容姿端麗な男だった。俳優とか目指せばよかったのに、何故こんな職業に就いたのだろうか。情報屋になった時点でこんな結末(エンド)は見え透いているだろうに。


「 どうも、川端です!今回貴方の拷問をさせていただくことになったのですが、率直に聞きますと何がいいですか?銃、刃物、いろいろ取り揃えていますが 」

「 っ……俺は吐かないぞ… 」

「 さっさと吐いた方が身の為だと思いますがねぇ、貴方でしょう?ポート・マフィアを壊滅させる為の組織の枢軸は 」

「 な、何故それを……! 」


心底驚いた様な顔に、心底驚いた様な顔で返す。何故この男は気づかないと思ったのだろう、先ず此処に拘束されている時点で尻尾を掴まれたと同じなのに。

「 仕方がありませんね、教えてあげましょう! 」

「 …っな、何… 」

「 鳴かぬなら、殺してしまえ、時鳥ですよ 」



「 異能力、千羽鶴 」








『 貴方 』

「 お、お前か、お前なのか!? 」


こんな若いのに既に妻がいるなんて驚きだ。少し苛立ちさえ感じる。はいはいどうせ私は誰にも求婚されませんよ!

気持ちを隠して其の男の頬に触れれば満足そうな笑みを作る。こんな容姿端麗なのだから、“ 私 ”である奥さんも嘸かし綺麗な人なのだろう。少しだけいい気分だ。


『 貴方、口に出しにくいのだけど 』

「 な、何だ…… 」

『 ……私ね、ポート・マフィアの幹部に殺されたの 』


其の男は、只々無言で涙を流した。有難うや、ごめんさえ云わず。如何してか、私には其の涙が酷く綺麗なものの様に思えてしまう。誰かを想って流す涙ほど尊いものはないのだろう。

私は今までそんな涙をたくさん目の当たりにしてきた。

『 確か変な帽子を被った小柄な人だったの……ねェ、貴方も早く此方へいらっしゃって 』


中也ごめん。中也ものすごくごめん。
拷問の度に罪を着せてしまいます。悪い癖ですね。




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ねむい(プロフ) - イチゴプリンさん» いつもありがとうございます、本当に励みになります、、!これからも何卒宜しくお願い申し上げます! (2018年4月2日 12時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
イチゴプリン(プロフ) - ねむいさんの作る作品はとっても面白くて大好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2018年4月1日 13時) (レス) id: 645f74247e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむい | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年3月27日 16時

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