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たいせつにたいせつに、壊れないように傷つけないように。薄っぺらい関係をそうやって取り持つことが、あの頃の私にとっては生き甲斐だったような気がする。それ以外、することなんてなかったのだから。
人より早く大人になってしまった二人は、いつまでも退屈なまま、そんななんでもない日をずっと彷徨っていた。
どこで間違ってしまったのかわからなかったけれど、不思議とそのタイミングは二人一緒だった気がする。勉強も部活も、何一つする気になんてなれなかったのに。一度だけ迎えたその日を、私は、
_____絶対に忘れないようにしようと、心に誓った。ただ、それだけのことだった。
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自分で口に出したことに対して、ありえないほどの後悔に苛まれる。今まであまりない経験だった。そもそも、私には口に出す前にいちいち考えてしまう癖がある。頭の回転が早いよね、とよく言われるがそんなの小さい頃から積み上げてきたことの影響でしかない。口に出す前に一度考える。ただそれだけ。
と、自意識過剰な思考を披露してみたわけだが、全部のことを考えてから口に出す人間を“ 大人 ”というのならば、この世全体、モラトリアムだ。そんな人間気持ち悪いとしか表現できない。私だって感情的に動いてしまうことだってある。ちょうど、さっきみたいに。
彼と話す という行動について。
たくさん考えることが必要になる。緊張はしないけれど、どきどきはする。そしてやっぱり、彼に話すことを、たくさん考えなければならない。何も覚えていない彼に、何から話せばいいか。ずっと前から、言いたかったこと。本音ではっきり言いたいけれど、仮にも 大人 になりかけているのだから少しの我慢も必要なのだ。
けれど、彼に話すことを考えられたことなど一度もない。昔も、そして再会した今も。感情を抑えられたことなど、一度だってありはしないのだ。恋慕なんかじゃなくて、これはきっと、戸惑い。そう、私が一番戸惑っているのだ。
少しだけの怒りが身を潜めて、目の前を黒猫が通り過ぎて行った。それは朔間凛月の髪にも似て、触れてもいないのに指につやつやとした感覚が生まれる。いや、戻ってきたとでも、言うべきかもしれない。
膝の上の重さ。変わらない匂い。目を細めた時に、下睫毛が震えた。それらが全部全部、戸惑いにかわって襲いかかってくる。
「 自分が大好き、か… 」
自分で放った言葉なのに、それは一番私に響いた。喉の渇きを感じるほどに恥ずかしさが渦巻いて、今度は胃がきりきりと音を立てた。
君のことが好きな私が、一番大好きだったのは、私だ。
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フラッペ - ねむいさん» りっちゃんはいいですよね（＾＾）独特な雰囲気というか無気力で可愛らしいというか……でもライブではきちんとする所、好きです。更新の方は細かく繊細に書かれているのがねむいさんの作品の良いところですので、自分の思うがままに書いていただければ幸いです……♪ (2018年8月22日 1時) (
レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
ねむい(プロフ) - フラッペさん» ありがとうございます。フラッペさまからコメントをいただくたび、有難いという気持ちで胸がいっぱいになります。お気付きかとは思いますが、私も朔間凛月が一番の推しです。しかし推しほど書くのが難しい！精一杯尽くしていきたいと思いますのでよろしくお願いします！ (2018年8月20日 10時) (レス) id: f7d54c694c (このIDを非表示/違反報告)
フラッペ - 新作おめでとうございます（＾＾）推しのりっちゃんなのでとても嬉しいです……!!もう一話目で「好き」と口からポロりと出てしまいました。ホントにこの作品の続きがむちゃくちゃ気になります。ねむいさんの事応援してます♪ (2018年8月18日 21時) (レス) id: 0c5a8c4f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむい | 作者ホームページ：
作成日時：2018年8月15日 23時
