第56話 ページ14
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今の時刻は午後5時40分。
約束の時間が近くなったので、咲夜ちゃんを呼びに行くことにした。
コンコン
しかし突然、部屋の扉を叩く音が聞こえてきた。
『なんだよ、このタイミングで……』
1人の時にしか使わない口調で私は独り言を言うと、1度深呼吸して部屋の扉を開けた。
咲「Aさん……」
『え、咲夜ちゃん?』
すると、私の前には咲夜ちゃんと……
『どうして、みんなまで……』
さっきまで話していたみんなが、立っていた。
咲「私が呼びました。最後は皆さんと一緒に居たかったから……」
まだ中学生ぐらいだから、考えはまだ子供か。
でも、そんな子供っぽい子は……嫌いじゃないな……
『そうか。じゃあみんなで行こうか。』
咲「ほ、本当ですか!?」
咲夜ちゃんはそう言うと、子供のように大喜びしながら廊下を走り回り始めた。
その光景はまるで、昔の私みたいに。
戻りたい。あの頃に。
真「A?大丈夫?」
『え?』
私は真奈の方を見ると、心配した顔をしたみんなが私を見ていた。
碧「具合悪いのか?」
『具合?全然いいけど?』
お「ほんとか?顔色が良くないけど……」
顔色?
もしかして私、顔に出てたの?
___誤魔化さなくちゃ。
『多分、仕事で疲れて顔色が悪くなったんだと思う。だから大丈夫だよ。』
お「そう……」
『そんなことより、早く行きましょ。咲夜ちゃん待ってるみたいだし。』
私はそう言うと、さっきまではしゃいでいた咲夜ちゃんの前に立った。
『あ〜ぁ、こんな汗かいちゃって。これから家族に会うって言うのに。』
咲「う、嬉しすぎてはしゃぎすぎました。」
『もぅ。』
ポンポン
咲「え?」
私は、そんな子供っぽい咲夜ちゃんの頭に手を置き撫で始めた。
咲「Aさん?」
昔、私もこうやってお姉ちゃんとお兄ちゃんに頭を撫でてもらってたな。
お母さんとお父さんにも。
でも、今のみんなは……昔のみんなじゃ……
咲「Aさん?Aさーん?」
どうすれば、昔のみんなに戻るのかな?
どうすれば、昔のように幸せな日々を過ごせれるのかな?
どうすれば……
咲「Aさん、嫌なことでもあったのですか?」
『え?』
咲「顔が暗いですよ。私の頭を撫で始めてから……」
私は咲夜ちゃんの言葉に驚き、撫でていた手を咲夜ちゃんの頭から離した。
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まなたん - めちゃくちゃ良くて読んでる途中で勝手に涙がぁぁぁぁぁ( ;∀;)最後とかもう...脱水症状起こしちゃうよぉ( ;∀;)良き物語を作ってくれて、ありがとうございます( ;∀;)←泣いてばかりやなw (2019年1月18日 3時) (レス) id: a0ca9a33f5 (このIDを非表示/違反報告)
ずーしく(プロフ) - ひなさん» そう言ってくださってとても嬉しいです!ありがとうございます!小説の中でおそ松が“ある事”をすると言っていましたよね?実はその続きで、6つ子は親に会いに行きたいと夢主に言ったのです。それが夢主と6つ子の約束です!説明下手ですみません。 (2018年6月30日 21時) (レス) id: 1d9ccb178d (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - すごくいい作品だった!あと、最後の俺たちの約束ってなに?めっちゃ気になる! (2018年6月17日 17時) (レス) id: 9b800d69ba (このIDを非表示/違反報告)
ずーしく(プロフ) - れいさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました!是非、他の作品も読んでみてください! (2018年6月17日 15時) (レス) id: 1d9ccb178d (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 今見終わりました、めっちゃ面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年6月13日 7時) (レス) id: 2a9c9cc493 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:CATHERINE | 作成日時:2018年4月1日 8時