7-17 ページ16
Noside
「てか誰も追いかけてこなくなったね」
「お、俺は誰も殺してないぞ…」
「ボクも◇」
イルミがAを抱えながら長い長い廊下をバタバタと走る。
Aは喋る事が出来ないからか大人しく揺られて、たまにクロロからちょっかいを出されるのを鬱陶しそうだが笑って見ている。
ふとAがイルミの首に腕を回した。
「…A？」
「…………、」
少しだけ笑顔が戻ったAは一変、青い顔で震えていた。
3人が前を見れば、Aの兄と父親だったものが不機嫌そうな顔をして立っていた。
「侵入者だって聞いたから来てみれば、同業者だったとはな」
首を傾げるイルミに、眉間に皺を寄せたクロロ。ヒソカは興味無さそうに自分の爪を見ている。あ、逆剥け、なんて思いながら。
「A、同業者ってどういう事？てか誰？」
「うちもゾルディックと同じく殺し屋を営んでいるんだよ、愚弟がそんな大きなパイプを持っていたとは思わなかったが」
「愚弟……お前弟だったの？」
「弟属性だろどっちかって言えば」
「どうだろうね、クロロやイルミの相手をしてる時はそうでも無いけど♧」
「なんだそれ！自分は違うみたいな言い方！！」
緊張感もまるでない、いつもの様にAの事務所で雑談をするかのようにヒソカとクロロはじゃれ合う。
イルミだけがAの顔を覗いて溜息をついた。
「Aはコイツらをどうしたいの？」
「………………」
「殺していいの？駄目なの？」
「…………、……っ」
言葉を話せないのは分かっている、だがイルミは問う。子供のように泣きながら何かを訴えるAを見ても、答えを待つばかりでイルミはそれ以上何も言わなかった。
先に口を開いたのは兄の方で。
「うちとしてはゾルディックと円満な関係でいたいんだ、愚弟がいるならやるから取引をしないか？」
「……へぇ」
「まぁあのゾルディック家の人間が、そんなボロ雑巾みたいな愚弟を必要なのかは甚だ疑問だけどな」
「俺は関係無いみたいだからAつれて帰っていいか？」
「ボクも♧」
「黙って2人で帰れば？」
「何の為にここにいると思ってるんだ」
クロロは愉快そうにAの頭を撫でる。ヒソカはそんな2人をご機嫌な様子で眺めていた。
面倒臭そうにイルミは溜息をついてAを抱き直す。クロロに渡す為ではない、
離さないために。
「“やるから取引”って馬鹿なの？……Aは元々俺のなんだけど。」
バッシングを受けた、勿論クロロから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 203人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヴィンセント・ヴァンクール - とっても面白かったです！面白すぎて一気に読んでしまいました！！続き楽しみにお待ちしております╰(*´︶`*)╯♡ (11月17日 16時) (
レス) @page21 id: 0ffcd0578b (このIDを非表示/違反報告)
とらじ - 私の性癖にブッ刺さりまして…一気に読ませてもらいました！作者様のペースでいいので、続きをお待ちしております！ (2022年9月22日 20時) (レス) @page21 id: c8f94ad8bd (このIDを非表示/違反報告)
パンツ - じゅじゅき無くて泣きそうあああああああああああ (2022年7月17日 11時) (レス) @page21 id: 804c35253a (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン(プロフ) - 凄く面白いです！更新頑張ってください！ (2022年5月5日 6時) (レス) @page20 id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
リト - 待っていました！思っていたより最高のお話で、良かったです！これからも応援してます♪ (2022年4月4日 22時) (レス) @page18 id: 2df230b8f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山菜 | 作成日時：2022年3月8日 5時
