推しと恋愛は無理です!【mfmf】

涙の理由 ページ34

遙真「これからずっと僕のそばにいてね」




『うん！もちろんだよ』




遙真「それじゃバイト行こっか」




『遙真くん、ありがとう』




遙真「それは僕の方だよ


大好き。ほんとに好き。二度と離さない自信ある」




『何それ笑』




遙真くんに大好きと言われる度に体温が上がる気がする



この日は世界で1番楽しいバイト時間だった





バイトを終えて時刻は22時近く




『遙真くん、私今から用事あるから一緒帰れない!

ごめんね、先帰ってて！』



遙真「こんな夜遅くに？」




『うん、どうしても大事な用なんだ』




遙真「……分かった」




『ありがとう、気をつけて帰ってね！』



遙真「うん！」




急いで着替えて荷物を持つ


そしてまふくんと待ち合わせをしている公園へと向かった



街灯が数本立っているだけの薄暗い公園


そこにはもう既にまふくんの姿があった



以前約束してくれた通り黒のウィッグを被っている



これじゃ近づかない限りまふまふだとは分からないだろう




『すみません、遅くなりました！』




ま「大丈夫だよ、バイトお疲れ様！」



『黒のウィッグ…ほんとにつけてくれてるんですね』



ま「Aさんと会うためだからね」



『それで……どういった御用ですか？』



ま「え？」



『え？会って話したいって……』



ま「あぁ、単純にこうやって何気ない会話がしたかったんだけど…」



私は今日ここに来て話そうと思ったことがひとつある



私がまふくんとこうやって会うのは今日が最初で最後だ



『それじゃ……私が話していいですか？


まふくんに言わなきゃいけないことがあるんです』



きちんとまふくんの目を見てそう言うと律儀な彼はちゃんと目を合わせてくれた




『私…彼氏が出来ました


まふくんもご存知の白石遙真くんです



ですので…恐らくこうやって会うのは最後だと思います



せっかくこうやって誘って頂いたのに傷つけてしまってごめんなさい


でも！

でも…言わないのはもっと不誠実だから



結局最後まで私は傷つけてしまいましたけど…


またコンビニにはいらしてください』



無理やり笑顔を作って笑った



私が苦しい顔をするのは違うから


まふくんの方が何百倍も苦しいんだから




ま「そっか……うん、そんな気がしてた



おめでと」




まふくんの笑顔は今まで私が見たまふくんのどんな笑顔よりも柔らかくて優しくて…切なかった

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す