天才ボカロPの正体はJK 3【歌い手】【シェアハウス】

101話 ページ6

もうこの気持ちの名前は「好き」以外に名付けようがない。



この気持ちを書いたらいいのかな...



でも気づいてしまったが故、緊張で書けなくなった。



曲と歌詞とはいえ、自分が今作っているものは蒼への告白になるのだ。



そんなもの緊張して書けるわけがない。


だいたいこの気持ち、複雑すぎてややこしい。絡まってる。



スパイラルだ。パズルだ。迷路だ。



解き方も公式も教わっていない。



村人Aがラスボスに挑むようなもの。



初恋ってもっと甘酸っぱいものだと思っていたのに...。



気づくと筆と気持ちが止まらなくなっていた。


自分じゃないみたいな感覚。


書き始めて4時間で一通り完成した。




これでちゃんと形になってるかな...





すると、



そ「ちょっと〜A作業しすぎじゃない？休まないとまた倒れる..って何してるの？」



そらるさんの声がするが机に突っ伏したまま私は動けないでいる



ごめんねそらるさん、思考がいまぐちゃぐちゃなの



『もう私は私じゃない…こんな気持ち分からない。』



そ「？...何言ってんの？」



『私も分からない』



そ「よし、1回休もう。さっき差し入れで貰ったお菓子が...」



『その前にさ、1回これ聞いてくれない？』



そ「これ？」



『今作ったの。まだ編曲もしてないし急いでミクに打ち込んだだけだからざっくりとしてるけど...それでも良ければ』



そ「え、デモ！？聞く聞く！！」

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