居心地のいい場所とは (ページ20)

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二宮side

「翔さん！！！」

駆け寄って体を支える
不規則な呼吸を繰り返す翔さん
胸のあたりの服をぎゅっとにぎって速まる呼吸を整えようとしているようだ

「っはぁ、はっ…っ」

「翔さんっ、どうしよ…っ電話、」

携帯の存在を思い出し翔さんを支えながらポケットの携帯を取り出してリストの一番上の相葉さんに電話をかけた

『もしもーし』

「相葉さん！！翔さんが…！」

体を完全に俺に預け、さっきまで胸を抑えていた手がだらんと力なく落ちている
呼吸もさっきより浅いように見える

翔さんの苦しそうな姿に動揺してしまって上手く相葉さんに状況を伝えられない

『ニノ、落ち着いてね。翔ちゃんのポケットの中に薬入ってるから飲ませて、すこし強引でもいいから』

状況を察した相葉さんは冷静に対処法を教えてくれて『すぐ行く』って言って電話を切った

相葉さんに言われた通りポケットを探ると薬と小瓶に入った水があった

肩にもたれている翔さんの体を寝かせ上半身を起こして薬を水で流し入れると喉がぐっと動いた
飲ませることができたようだ

少しずつ速かった呼吸がゆっくりになっていく

「翔さん……？」

ぽんぽんと優しくたたくとうっすらと目を開けた

「はぁ～よかったぁ…、大丈夫？」

「…とり……。」

「……鳥？」

そう聞くと体を起こそうとする翔さん
何がしたいのかわからないけどとりあえず手伝う
ほぼ俺に支えられてるけど体を起こした翔さんは1本の木を指差した
その先を見てみると2匹の親鳥と1匹の小鳥の巣があった。親鳥が餌を食べさせている

「あの鳥がどうかしたの？」

「…しあわせそう、だなぁ…って、思っただけ」

「翔さん…？」

そういうとまた目を閉じてしまった

「ニノ！」

やっと相葉さんが来てくれて相葉さんが翔さんをおんぶした