さん！ ページ5
次の日。
ねぇ、聞いて。
今日、見ちゃったんです。
花子くんが八尋さんに告白するところ。
まぁ、怪異を誘い出すためだったんだけど。
すっごい嬉しそうだったよ、八尋さん。
嘘だったって分かって、泣いちゃったけど。
八尋さんが泣いちゃったとき、花子くん本気で焦ってた。
すごく申し訳なさそうだった。
"あーぁ。好きな子泣かせるなんてサイテー"
なんて、余裕ぶっては見たものの。
つらいもんは、どう頑張ったってつらいの。
それでね、涙が止まんなくて困ってるの。
八尋さんはさっき帰ったよ。
花子くんも、もうグラウンドには居ない。
ん？私？
私は空き教室から告白の木があった場所を見てたの。
だからここは空き教室だよ。
もう下校時間過ぎちゃったけど、涙が止まるまではここに居るつもり。
だって、無理だよ。
こんな悲しい気持ちで歩き回れない。
*
｢....おい、華嶽｣
『ぁ、土籠先生』
2分後、教室のドアが開いて、声をかけられる。
前を見ると、土籠先生だった。
目が合うと、先生の顔が歪んだ。
そんなに、醜かったかな。
まぁ、そりゃそうだよね。人の泣き顔なんて。
｢....下校時間、過ぎてるぞ｣
『はい、すみません。今帰ります』
それだけ言って立ち上がると、先生に会釈する。
それからドアに向かって歩き始めると、また声を掛けられる。
｢....七番様が好きなんだろ｣
『......、覗き見ですか？良くない趣味です』
｢馬鹿言え。そんな趣味はねーよ｣
｢まぁ、なんだ....その、抱え込みすぎるなよ｣
そう言って頭に手を乗せてくれる先生。
優しいなぁ。怪異のくせに。
なんてね。
今の先生の言葉は、私の恋が実らないことをそのまま言葉にしたようなものだ。
"八尋さんには勝てないけど、元気出せよ。"
そんなような意味合いで合ってるだろう。
つくづく酷い先生だと思うよ。ホントに。
『....性悪ですね。でも、心に留めておきます』
｢ﾊｯ、そうしておけ｣
『さようなら。また明日』
｢あぁ。気ィ付けて帰れよ｣
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心音 - すっごい面白いですね。名字同じグヘへへへ (2021年2月9日 7時) (
レス) id: 151c54b00a (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 - もう好き。ストーリーとか全部好き。絶対最後まで応援しますっ！！ (2020年4月7日 18時) (レス) id: c104286198 (このIDを非表示/違反報告)
遥 - いつ更新しますか?お楽しみ (2020年4月7日 11時) (レス) id: 08cfac3417 (このIDを非表示/違反報告)
刃華禰 - この話めちゃおもろいっすね！更新楽しみにしてます！ (2020年3月19日 4時) (レス) id: 022f9f82f7 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - わーい！！お揃いだぁ（≧∇≦） (2020年3月6日 23時) (レス) id: 4dface175c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華獄 | 作成日時：2020年2月18日 7時
