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「お前ら、Aのストーカーでもしてんの？」
「いや、本当にたまたまで！」
頼んでおいたウーロンハイを片手に席を立つと
後ろのテーブルで未だに固まっている仏頂面の隣に腰かけた。
嫌味で言葉を投げかけると、正面に座っている男が我に返り
慌てて否定をして俺と目を合わせた。
「宮舘先生だっけか、居場所知らねえの？
あんたらAの先輩と同級生だろ、えっと…」
「阿部です、Aちゃんの学生時代の先輩です。」
「ああ、」
「…俺らも居場所は知りません
病院を辞めてからは連絡先も消えて、
住んでたマンションからもいなくなってましたから。」
本当に心当たりがないようで
阿部は悔しそうにそう呟くと
振り返って完全に眠ってしまったAの姿を見つめた。
あんなに細くて小さな体で、
こんなに重いものを背負ってきたんだ。
ようやく見つけた解決への鍵を
簡単に諦めるわけにはないかない。
「とにかく、俺はその先生を探す。」
「…。」
「Aの今の気持ちを聞いても
お前があいつに嫌悪感を抱くなら
実習が終わり次第、もう二度と姿を現すな、
これ以上あいつを傷つけないでくれ。」
「俺は、」
隣に座る目黒は困惑した表情を見せつつも
チラチラとAの方を見て様子を伺っている。
あれだけ悪態をついたって
やっぱりこいつも彼女が心配なんだ。
「Aが看護師時代に働いてた病棟の師長が叔母だから
何か知らないか聞いてみる。」
「俺も知り合いの看護師に聞いてみます。」
阿部は協力的で、早速スマホを操作し
心当たりのある看護師にメッセージを送り始めた。
一方で目黒は、未だにAを見つめていて
俺は咳払いをすると口を開いた。
「ホントのところはどう思ってんだよ。」
「…俺は、」
目黒は瞳を潤ませて小さく呟くと
Aに向けていた視線をゆっくりと俺に移し
涙を堪えるように鼻を啜った。
「俺は、約束を破ったことでもなくて
仕事を辞めたことでもなくて
何も相談してくれなかったのがショックで
何も力になれなかったことが悔しくて…っ」
「今からでも力になれんじゃん
変な意地張ってないで、ちゃんとAと話せよ。」
「ごめん、なさい…っ。」
どいつもこいつも世話のかかる奴だ。
テーブルに顔を伏せてすやすやと眠るAを眺めながら
俺もスマホを取り出し叔母に連絡を入れた。
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読者A(プロフ) - いつも ぱくたろうさんのお話を読ませていただいていたのですが私事で久しく占ツクを開けていないうちに新作を作られて完結されていたので2日で一気読みさせて頂きましたが、、、安定にボロボロ泣きました…今回も素敵な作品をありがとうございました。 (2023年1月16日 14時) (
レス) @page39 id: c0ba04e557 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 青こなこさん» 最後までありがとうございました！お返事遅くなりすいません。共感していただけて嬉しいです！こちらこそありがとうございました🙇♀️ (2022年12月27日 20時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
青こなこ(プロフ) - 完結おめでとうございます。ぱぐたろうさんの作品、いつも楽しく読ませて頂いています！私も医療系に携わっていることもあり、患者さんとの関わり方や葛藤など、共感するところが多かったです。素敵な作品をありがとうございました！ (2022年11月30日 22時) (レス) @page39 id: e1d2c6feb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年10月21日 19時
