第一章 貴方は誰 ページ9
＿you side＿
「…ガチ？」
見間違えるはずはない
シャベルで軽く土を掃ってみたけれど
骸骨の全貌がはっきりと表れただけで
これは夢でなく、現実だと突き付けられた。
「これやばいんじゃ、」
血の気が引くという言葉を初めて実感した。
震える声でそう呟いた時、何かがもたれかかってきて
重さに耐え切れず押し倒され、掘った穴の中へ落ちそうになった。
「あぶなっ、」
「目黒せんぱ、」
「無理にしゃべらなくていいよ、
とにかく翔太くん支えきれなかったから引っ張り上げないと。」
支えてくれたのはまた目黒先輩だった。
圧し掛かってきた正体は
どうやら怖さのあまり気絶してしまった渡辺先輩だったようで
そのまま穴の中へ落ちてしまった。
「めめはAのそばに居てあげて
俺が翔太の事引き上げるから。」
さっきまでの大介先輩とは違い
深刻な表情のまま慎重に穴の下へ降りていくと
翔太先輩を背負って上まで戻ってきた。
顔色は青白くなっているけれど
呼吸はしているし何処かを打った様子もない
怪我も見当たらないしひとまずは大丈夫だろう。
「…白骨化してるってことは時間経ってますよね。」
あの巻物に書かれていた呪いでこの人は
そんな考えが頭に過って
額に汗がにじむほど暑かったはずなのに
背筋が凍って身震いをした。
「とにかく一旦家に戻ろう
翔太起きそうにないし、もし町の人がここに来ちゃったら
担いで逃げるなんて無理だからさ。」
やけに冷静な大介先輩の言葉に頷くと
出来るだけ駆け足で階段を降りて行った。
目黒先輩が腰に手を当て支えてくれているけれど
足が小刻みに震えてその場にしゃがみ込んでしまいそうになる。
何とか奮い立たせてもと来た道を戻っていくけれど
無事に帰ることができるのかが心配で気が気ではなかった。
「とりあえず用意してくれてた布団に翔太寝かせてきたよ。」
「ありがとうございます。」
無事に家へと辿り着き居間に座り込んでいいると
別室に翔太先輩を寝かせて来てくれた大介先輩が
机を挟んで向かい側にドカッと腰を下ろした。
何とも言えない静けさが訪れて
外からはカエルの大合唱だけが聞こえる。
誰も言葉を発せず俯く中、
最初に口を開いたのは目黒先輩だった。
「警察…だよね、こういう場合。」
私達を交互に見て小さくそう呟いた目黒先輩に
ただただ頷くことしかできなかった。
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ぱぐたろう(プロフ) - そふらさん» 読んでいただきありがとうございます🤍そう言っていただけて嬉しいです！折り返し地点まで来ていよいよ最終章が近づいていますので、最後まで御付き合いいただければ嬉しいです🙇♀️ (2022年9月4日 19時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - なぁたさん» 前編読んでいただきありがとうございます🙇♀️暑さが吹っ飛ぶような内容になっていればと思います(肌寒くなってきましたが笑)楽しんでいただけて嬉しいです🤍最後までよろしくお願いします！ (2022年9月4日 19時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
そふら(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きが気になって頻繁にチェックしてしまう程面白くて最高な作品です！大変だと思いますが更新楽しみにしてます！ (2022年9月3日 2時) (レス) id: 8614b66f6c (このIDを非表示/違反報告)
なぁた(プロフ) - 作品更新嬉しいです！今回更新分の内容ずっと、うそでしょ、まって、こわい、しんどい状態でした。ドキドキさせてくれてありがとうございます。また楽しみに待ってます☺️ (2022年9月3日 2時) (レス) @page45 id: bf7a073558 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2022年8月11日 19時
