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「舘さん、ごめん。」
「…あんな手紙書かれちゃ何も言えないよね
元々我儘で頑固なところはあったけど
自分勝手すぎるよ。」
「…。」
「でも、Aの人生だもんね。
俺らが口出しできるものじゃない
手紙に書いてあった感情を抱きながら生きていたら
心が死んじゃうよ。」
日が落ちて解散した後
舘さんに少し話せないかと声をかけて
公園のベンチに腰掛け星が浮かぶ空を見上げた。
死の向こうで新しい人生を歩む
Aちゃんらしい考えに笑みがこぼれると
流れ星が一つ、空にアーチを描いた。
「Aちゃん、向こうで泳いでるかな？」
「Aの事だから
張り切って10往復ぐらいしてるんじゃない？」
「それはやばすぎでしょ、」
もうAちゃんはこの世にいない、
あの笑顔も不貞腐れ顔ももう見ることは出来ない。
でもあの手紙からは穏やかな雰囲気が流れていて
何処か張り詰めていた彼女の表情が少しでも晴れたなら
俺達が口を出すことじゃないと思う。
「他人が見ればバットエンドかもしれないけど
本人がハッピーエンドだと思っているなら
それって一番幸せなことだと思う。」
「…佐久間は強いね。」
「好きな人の前では強くありたいんだ、
Aちゃんが俺を強くしてくれるんだ。」
「そっか。」
自死を肯定するわけじゃない、
本人の人生が終わっても
残された人たちの人生は続いていくわけだから。
でもそれは、あくまでこちら側の意見で
照の言っていた通りエゴなんだと思う。
結局考え方は人それぞれで
今の俺や舘さんを見て信じられないと思う人もいれば
このエンディングをハッピーエンドと受け取る人もいる。
死なないで、生きて欲しいなんて綺麗ごとだ。
「あっちに行くのはまだ先になるけど
Aちゃんの泳ぐ姿を楽しみにして生きていきますか。」
「そうだね。」
二人立ち上がって、家路を歩いていく。
夜空には星が光り輝いていて
涼しい風が頬を掠めて額に滲む汗を連れ去っていく。
抱きしめる準備は出来ていた、
君の全てを受け止める準備は出来ていた。
後はAちゃんが俺を受け止めてくれる日を待つだけ
それまで俺は、向こうの世界で懸命に生きていくAちゃんを
胸を張って迎えにいけるように
精いっぱい、この世界で生きていく。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
