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「何でこんな田舎に引っ越してきたの。」
「お！やっと佐久間さんに興味出てきた？！」
「…やっぱり帰る。」
ハンドリムを握り自力で動こうとする彼女を止めて
声をかけ慎重に車椅子を押し始めた。
Aちゃんが言う通り人通りは少ないけど
いわゆる地方都市と呼ばれる場所なだけあって
何でも揃っていて不便はなさそうだ。
「ここ。」
「入るの？」
「何でも奢るって言った。」
俺の家の右隣に建っているお店を指さし
少し不貞腐れたように呟くAちゃんは可愛らしくて
つい吹き出してしまいそうになるけど
また怒られるのは嫌だからと堪えた。
「えっと、段差を超えるときは…」
「大丈夫。」
スマホで段差の乗り越え方を検索していると
Aちゃんが画面に手を添え阻止してくる。
何が大丈夫なのかと首を傾げていると
店の中から眼鏡をかけた少し猫背の男性が出てきた。
「Aちゃんいらっしゃーい、
お隣はボーイフレンド？」
「違う、隣に引っ越してきた佐久間。」
「なるほど、じゃあ行こうか
お隣の佐久間さんもご一緒に〜。」
黒いシャツにストライプの腰巻エプロンを着こなす男性は
慣れた手つきで車椅子を動かし
難なく段差を乗り越えると店の中へ通してくれた。
店内は物で溢れているのに凄く綺麗で
異世界に来たような感覚に陥る。
天井から吊るされた無数の照明は星のように光り輝いていて
沢山の調味料や珈琲豆が並べられたカウンター内は
まるで魔法使いの隠れ家のようだ。
「あ、そうだ自己紹介。
ここのオーナーの深澤辰哉です
カフェだけど食事もできるから来てね、サービスするよ。」
「ありがとうございます！」
「Aちゃんにこんな明るい友達がいるなんてびっくり
いいことだよ〜、交友関係大事！」
フワッとした話し方をする深澤さんは
何処か掴めなくて不思議な人。
テーブル席の椅子を動かしてそこに車椅子を止めると
反対側の椅子を少しずらして座るように促された。
「これメニューね！
Aちゃんはいつもの？」
「…佐久間は何食べるの。」
「え、あ、俺！？
えっと…じゃあオムライスにしようかな！」
「同じので。」
なんだその可愛いやつはと固まっていると
深澤さんは笑いながら厨房へと入っていった。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
