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「この度は本当に申し訳ありませんでした！！」
しばらくして私の病室にその子、松村さんの親御さんが来て
両足のない私を見ると真っ青な顔をして土下座をした。
誰も悪くないがゆえに、私の親はやり場のない怒りを
拳を握り締め何とか押さえつけていた。
「できる限りの事はします、
治療費も義足にかかるお金も
慰謝料ももちろんお支払いします！」
「あの、息子さんは？」
「今は意識を取り戻して入院しております、
こちらに来れるようになり次第
もう一度、三人揃って謝罪に伺わせていただきます！」
顔を上げず土下座したままそう言う親御さんは
声が震えていて、今にも折れそうなほどに瘦せ細っていた。
私側の親族は怒りに満ち溢れていたが
当の本人である私は、生きていると聞いて
良かったという安堵の感情が湧き上がってきた。
「息子の北斗です、この度は本当に…」
またしばらくして、
車椅子に乗った包帯だらけの男の子が
親御さんと一緒に病室を訪れてくれた。
深々と頭を下げる親御さんに対し
車椅子に乗っている北斗くんは俯いていて
表情を確認することは出来ない。
「ほら北斗、貴方も謝るのよ。」
母親が促し、私のベッド近くに車椅子を近づける。
私は首を傾げながら彼を見つめていると
口が小さく動いているのに気がついて
少しだけ顔を寄せて耳を澄ませた。
「＿＿す＿＿よ。」
「へ？」
「邪魔すんなよ！
やっと死ねると思ったのによ！！」
大きな声で叫ぶようにそう言う北斗くんは凄く怖くて
身を小さくして怯えていると
車椅子から立ち上がって殴りかかろうとしてきた。
でもまだ本調子ではないようで、その場で崩れ落ちると
ベッドに顔を伏せて泣き始めた。
「なんでどいつもこいつも邪魔すんだよ！
死なせてくれよ…なぁ…っ！」
その声はさっきと打って変わって弱々しく
何も言うことができないままでいると
親御さんがベッドから引き剝がして病室を出そうとした。
「こんな奴のために娘は未来を閉ざされたのか！？」
「お父さん落ち着いて、ね？」
「死にたきゃ迷惑かけずにしろよ！
なんで生きたいと思っている人間を巻き込むんだ！！」
ついに父親は怒りを押さえつけられなくなり
親御さんはまた泣きながら土下座をしている。
その間も北斗くんは俯いていて
怒りやショックよりも、疑問が大きくなっていった。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
