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＿Sakuma side＿
「ちゃんと仕事しろっ、」
「いでっ！」
隠れて読んでいた車椅子のハンドブックを
背後から翔太に取られそのまま頭を叩かれた。
平謝りしながら本に手を伸ばすと
翔太が表紙を見て険しい顔をした。
「あの子、彼女なの？」
「へ！？
彼女、いや、そんな、いやいや！」
突然そんなことを言われて
自分でも驚くぐらい動揺し変な声が出てしまった。
翔太は中をペラペラめくって一通り目を通すと
俺の腕を引っ張って立ち上がらせた。
「ちょっと、」
「え、俺クビ！？」
「本読んでただけでクビにしねえよ
一応お前即戦力なんだから。」
翔太は他の社員に早めの昼休憩に入ると伝えると
俺を連れて近くのファミレスへと向かった。
適当に注文を済ませ料理が来るのを待っていると
取られたままだった本を差し出された。
「車椅子の事勉強してどうすんの？」
「え…ああ、少しでも車椅子の事知って
Aちゃんの助けになれたらなって。」
「…彼女じゃないんだろ、
なんでそこまで介入すんの？」
Aちゃんの事、教えてもいいんだろうか、
でも事情を話さないことには理由が言えない。
心の中で謝りつつすべてを正直に話すと
翔太の顔が再び険しくなった。
「一つ聞くけどさ、」
「なに？」
「佐久間はその子が好きなのか？」
そう聞かれて、言葉に詰まってしまった。
即答できない俺に翔太は溜息をつくと
頬杖をつき窓の外を見つめた。
「好きじゃないなら関わるなよ。」
「でも、いつまた自分で…っ」
「じゃあお前はこの先
ずっとその子を守ることが出来んの？」
こちらを見ることなくそう言い放つ翔太の視線の先には
車椅子を上手く動かせず困った表情をしたおばあさんがいて
周りの人がすぐに気づいて助けている様子を
翔太はただじっと見つめていた。
「今だってその子がロープに首を通そうとしてるかもしれない
海に行って飛び込んだり、踏切に身を乗り出したり
心が弱ってしまった人間は常に死が頭の中にあって
それを実行に移すタイミングは誰にも分らない。」
「それは…っ、」
正論過ぎて、何も言い返せない。
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ぱぐたろう(プロフ) - ぴくみんさん» 読んでいただきありがとうございました！！書くこと自体迷っていたお話だったのですが、書いてよかったです。次も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (
レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ゆりあさん» ありがとうございました！凄く迷いながら時間をかけて書いたお話なので、そう言っていただけて凄く嬉しいです。 (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - こころさん» 読んでいただきありがとうございました！そう言っていただけて凄く嬉しいです！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぐりーんかれーさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて凄く嬉しいです。次回も頑張りますのでよろしくお願いします！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - 名前さん» ありがとうございました！受け取りての方によって違う感じ方を楽しんでいただければと思い書いてみました。次のお話も頑張ります！ (2021年8月15日 22時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年8月10日 19時
