第四章 大罪 ページ31
＿you side＿
大介に腕を引かれながら、近くのパーキングへ向かう道。
掴まれた腕から震えが伝わってきて
バレない様に顔をチラリと見ると、頬に涙が伝っていた。
「ごめん、勝手に連れて来て。
腕大丈夫？痛くない？」
車に乗り込むと、大介は涙を拭って
無理やり作った笑顔をこちらに見せた。
「大丈夫です。」
「そっか…でもいきなり意味の分かんない話されて
びっくりしたよね、本当にごめん。」
正直言って、怖かった。
大介の怒ったところを見るのは初めての事だったから。
でもあんなに感情をぶちまけて、しかも私のためを思って
怒りを吐き出す大介に、嬉しさも感じて
その反面、こんな感情を持たせてしまったことに罪悪感を覚えた。
「あ、連れてきといてなんだけど
時間大丈夫？」
「あぁ！涼ちゃん！！」
もう迎えに来ている頃だろうと
慌ててスマホを取り出すと同時に着信があった。
しまった、また怒られる。
そう覚悟して電話に出ると、予想とは違う要件だった。
“Aごめん、どうしても仕事が抜け出せなくて
先生に事情話して、学校で待たせてもらってくれる？”
電話口から騒がしい音が聞こえて
どうやら何かトラブルがあったらしい。
隣でどうしたのと口パクで聞いてくる大介に
スマホを耳から離して事情を説明した。
「なら送ってくよ、今日はもう非番だし
お兄さんには俺から伝えるよ？」
学校に戻れば、まだ亮平がいるかもしれない。
そう思うと待たせてもらうのはリスクが高いと思い
素直に頷くと、スマホを大介に渡した。
「あ、お兄さんですか？
お久しぶりです、この前Aさんを送っていった…
はい、そうです！」
昔から人の懐に入るのが得意な大介。
少し耳を近づけると、涼ちゃんが安心したように返答していて
離れると目が合った大介が、こちらにOKサインを見せた。
「はい、無事に送り届けますので…
いやいや、これも何かの縁ですし。」
最後は談笑で終わり、通話が切れたスマホが返ってきた。
「お兄さんが、ちゃんと言うこと聞くんだよだって。」
「私子供じゃない…。」
「ふふ、高校生は俺らから見たら子供だよ。」
ふわっと微笑むと、エンジンをかけて動き出した。
学校の前を通らなくていいように遠回りをしてくれて
変わらない優しさに心があったかくなった。
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まいちゅん(プロフ) - ぱぐたろうさんの世界観が好きです。 (2021年1月25日 0時) (
レス) id: 3613c412bc (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！うれしいです、励みになります。今日からまた更新しますので是非見てください(^▽^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - りささん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！そう言っていただけるとすごくうれしいです！りささんもお体ご自愛下さい、更新頑張ります(^^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - Roseさん» ありがとうございます、励みになります！Roseさんもお体お気をつけてください!(^^)! (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - しおさん» ありがとうございます！本日更新しますので是非見てください(^^)無事に楽しめました！ (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年1月13日 20時
