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「両親がカウンセラーで、
俺も誰かの役に立ちたい、助けたいと思って
この仕事に就いたのに
自分の妹のことは何も気づいてあげられなかった。」
一番近くにいたはずの
家族の、AのSOSに気づくことができなかった。
それが悔しくて、申し訳なくて
いつも以上に過保護になっていった。
「そういう目撃証言があるってだけで
本当に飛び込んだのかはまだわかってないけど
信号、車の方は青だったし
明らかにAが飛び込んだとしか考えられないんだ。」
目の前のお弁当箱に、俺の涙がどんどん降り注ぐ。
照は何も言わず背中を撫でてくれるけど
横目に見る表情は苦しそうで
それ以上は、お互い何も話せなかった。
「ごめん、暗い話して。
それに照の事情も知ってるのに
思い出させるようなこと言っちゃって。」
「気にすんな、
…俺はもう乗り越えたつもりだから。」
何処か言い聞かせるような、
そんな言い方をする照に目を向けると
その視線に気づいたのか、こちらを見て優しく微笑んだ。
「先生さようなら！」
「さようなら、また明日ね。」
生徒を見送って、一通り仕事を片付けると
自分もAを迎えに行くために身支度をした。
職場を後にして二駅電車に揺られ、学校の最寄りに着くと
Aと友達二人が談笑していて
その姿を見ただけで泣きそうになった。
「あ、お兄さん来たよ！」
「ホントだ！」
女の子の方が俺に気づいて教えてくれると
Aは可愛い笑顔でこちらに駆け寄ってくる。
今度こそ、この笑顔を守りたい。
真実がどうであれ、次こそは、絶対に。
「A、今日もお疲れ様。
二人ともありがとう、また明日もよろしくね。」
「任せてください！Aまた明日ね！」
電車に乗り込んで、扉が閉まるとき
さっきから一言も話さない男の子が
辛そうな顔でAのことを見つめている。
違和感を感じて見ていると
男の子は我にかえったのか笑顔を作っていた。
電車の中で今日あったことを話してくれるAは
もう昨日の事なんて気にしていないのか笑顔で
その安心から、さっきの違和感はどこかへ消えた。
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まいちゅん(プロフ) - ぱぐたろうさんの世界観が好きです。 (2021年1月25日 0時) (
レス) id: 3613c412bc (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ユウさん» ありがとうございます！うれしいです、励みになります。今日からまた更新しますので是非見てください(^▽^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - りささん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！そう言っていただけるとすごくうれしいです！りささんもお体ご自愛下さい、更新頑張ります(^^) (2021年1月21日 19時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - Roseさん» ありがとうございます、励みになります！Roseさんもお体お気をつけてください!(^^)! (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - しおさん» ありがとうございます！本日更新しますので是非見てください(^^)無事に楽しめました！ (2021年1月21日 18時) (レス) id: 182e74d2ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年1月13日 20時
