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「ラインでいい？」
「…ああ。」
「んじゃこれ読み取って〜。」
呑気に画面を差し出してきて
早く終わらせたい一心でスマホのロックを解除し
アプリを起動させ連絡先を読み込んだ。
「名前は？」
「花橋A、本年23歳で〜す！
住所はラインで送るね？
お友達に聞かれたらあれだし！」
「え、あ、すいません。」
気を使って口出ししないでくれていたふっかに対して
そんなことを言い出すからついに我慢の限界が来た。
席を立ちあがって外へ取れだすため腕を掴もうとすると
ふっかが慌てて俺たちの間に入ってきた。
「まあまあ…ね！
花橋さん、俺ら次講義あるからさ！
あとはラインでお願いしてもいい？」
「ん？はいはーい！」
「ありがと〜。
んじゃ照行こう、な？」
ふっかは俺の肩を掴み急いで食堂を出て
少し離れた渡り廊下まで早歩きで向かった。
イライラする俺の顔が相当酷かったのか
ぎこちない笑みを浮かべてまた目を泳がせている。
「何で止めたんだよ。」
「女の子に手を出すのは駄目でしょ〜。
とりあえず落ち着いてさ、ね？」
「はぁ…わりい。
って俺のスマホないじゃん…。」
ふっかのおかげで冷静さを取り戻すと
スマホを食堂に忘れたことを思いだし溜息が出る。
またあの女と鉢合わせしたらと考えたのか
ふっかが代わりに食堂へ探しに行ってくれて
その言葉に甘え任せると、数分後に戻ってきた。
「照、あったよ。」
「わるい、ありがとう。」
「どーいたしまして、
さ！一旦面倒くさいことは忘れて
そうだ帰りどっか行こうよ、
照が行きたがってたカフェとかさ、な？」
ふっかとは大学からの付き合いだけど
いつも俺の気持ちを読み取ってくれて
どんなに機嫌が悪くてもいつの間にか笑顔になっている。
現に今もこうして話を逸らしてくれて
自然と苛立ちは収まっていった。
「そこのチョコケーキが絶品らしい。」
「いいじゃん、今日も俺の奢りだし！」
「ふは、最近奢ってもらってばっかじゃん
どっから金出てんの？」
ふっかが友達で良かった。
そう改めて感じると、2人で講義室へ向かった。
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ぴくみん(プロフ) - ぱぐたろさんの作品の一つ一つ伏線を回収していくお話が本当に好きで、今回もワクワクしながら読んでいたらあっという間にエンディングでした！今回の作品もとても面白かったです…いわふかの関係性が最高でした。 (2021年6月28日 3時) (
レス) id: 3b567ca5ed (このIDを非表示/違反報告)
みー - 他にはないジャンル？のお話で、一気読みしました！すごくおもしろかったです！ (2021年6月27日 23時) (レス) id: 978894b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年6月27日 20時
