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＿Iwamoto side＿
「綺麗な顔だったわね。」
「老衰でしょ？
やっぱり人生の終わりに人柄って出るわね。」
「最後まで幸せそうで
ご家族も悔いなんてないでしょうね。」
周りからそんな声が聞こえて来て
納得のできない俺は小さく首を傾げた。
目の前で微笑む祖父の遺影は確かに幸せそうだけど
内情を知っているこちらとしては腑に落ちない。
「照、あんたもちょっとは手伝ってちょうだい。」
「…ああ。」
「ったく、面倒ごと全部残して死んじゃって
だから早く籍を抜かせてほしかったのに。」
最後の最後まで祖父の悪口を言い続ける母は
悪魔みたいな顔をしていて大嫌いだ。
祖父の事は好きだった、
俺にはすごく優しくしてくれる人だったから。
でも正直亡くなってくれてホッとしている、
もうこんな母親の姿を見なくて済むから。
「あ、それと落ち着いたら話があるから。」
「…あっそ。」
小さい頃から母親と二人きりの空間が苦手だ。
さっさと会話を切り上げて斎場に戻ると
何だかざわついている様子で
眉間に皺を寄せ不思議に思いつつ中へ入った。
「あ、なあ照。」
「ふっかか、来てくれてありがとう。」
「いや、それはいいんだけど
あの女の人知り合い？」
「女って…？」
家族ぐるみで仲の良いふっかが
棺のある方を指さしてきて、そっちに目を向けると
全く記憶にない女性が手を合わせていた。
「いや…知らねえけど。」
「誰も声かけてないらしくてさ、
おまけに関係性も全くわかんないみたいだし
じいちゃんにあんな若い知り合い…」
「いねえだろ、聞いたこともねえよ。
…ちょっと声かけてくる。」
不審者…ではなさそうだけど
誰も知らない人間がいるのは少し奇妙だ。
ゆっくり近づいていって後ろから肩を叩くと
女性は振り向き俺の顔を見て目を丸くした。
「もしかして照くん？」
「え、ああ…そうですけど。」
「やっぱり！
正人さんに聞いてた通りの任侠面！！」
初対面でいきなり失礼なことを言われて顔をしかめる。
それに気づいたのか俺に平謝りすると
深く頭を下げて再び俺に視線を向けた。
「初めまして、
私…貴方のおじいちゃんの元カノです。」
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ぴくみん(プロフ) - ぱぐたろさんの作品の一つ一つ伏線を回収していくお話が本当に好きで、今回もワクワクしながら読んでいたらあっという間にエンディングでした！今回の作品もとても面白かったです…いわふかの関係性が最高でした。 (2021年6月28日 3時) (
レス) id: 3b567ca5ed (このIDを非表示/違反報告)
みー - 他にはないジャンル？のお話で、一気読みしました！すごくおもしろかったです！ (2021年6月27日 23時) (レス) id: 978894b8a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年6月27日 20時
