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＿you side＿
「…。」
「…。」
強制的に椅子に座らされてしまって
一緒に買いに行くのが嫌だったのかな…なんて考えて
少し落ち込んでいたらものの10分で帰ってきた。
渡辺さんに差し出されたのは
私がいつも食べているサンドイッチとブドウジュースで
なぜ知っているんだろうと渡辺さんを見つめていると
耳を赤くしてそっぽ向かれてしまった。
“ありがとうございます。”
そう書いて渡辺さんに見せると
小さく頷いておにぎりを口いっぱいに詰め込んだ。
“お前しゃべんないの？”
そう書かれてメモから渡辺さんに視線を移すと
頬杖をついて私を見ていて
目が合ってしまいお互い逸らしてしまった。
“まあどっちでもいいや。”
そう書かれてまたご飯を食べ始めた渡辺さん。
つかみどころはないけど
やっぱり嫌いではない。
佐久間さんは今頃どうしてるのかな。
なんて考えてしまうぐらい
最近佐久間さんが頭の中を占めている。
連絡しても大丈夫かな？
スマホを取り出しラインを開いてみると
通知が入っていて
「！！」
《やっほー！大丈夫かな？
今日の昼食は早見さんのおごりでカレーです！》
そう書かれたメッセージと
カレーを両手で持ち嬉しそうに笑う
佐久間さんの写真が送られてきていた。
《私は渡辺さんに奢ってもらいましたよ。》
返事を送って食べかけではあるけど写真を送ると
私の目の前に一枚の紙が差し出された。
“彼氏？”
「…！？」
勢いよく顔を上げて渡辺さんを見ると
何だか不機嫌そうに視線を逸らしている。
2人きりの時にラインを見るのはまずかったと反省して
スマホをしまって返事を書いた。
“彼氏なんてお兄ちゃんが許してくれません！
あ、画面の向こうにならいますよ！”
なんて冗談交じりに書いてみると
渡辺さんのツボにはまったのか笑っていて
私もつられて笑顔になった。
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年3月7日 18時
