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「なに。」
「先お風呂入っておいで、
夕飯食べながら話そう。」
今日の母は妙にテンションが高い。
ここで不機嫌にさせてしまうとすごく面倒だから
素直に頷いて湯船につかった。
「…。」
テンションが高かった日の翌日は決まって機嫌が悪い。
感情に波があって読むことができなくて
毎回その波に振り回されて辛い。
「それでなんなの。」
「そんなに急かさなくたっていいじゃん。」
早く終わらせたくてお風呂から上がると
いつもより少し豪華な食卓が目に入って
嫌な気持ちが大きくなりながらも椅子に座り
ぎこちなく食事をとり始めた。
「仕事の事なんだけどね？」
「…。」
「お母さんの知り合いに相談したら
春美さんの娘さんなら喜んでーって
雇ってくれるって言ってくれたの！」
「なんでいつも勝手に話を進めるわけ？」
我慢できなくてつい大きな声を出してしまった。
やってしまったと思った時にはもう遅くて
みるみる不機嫌顔になっていく母が視界に入り
自分の短気さに嫌気がさした。
「なんでって、母親として当然の事でしょ？
このまま私のすねでもかじっていくわけ？」
「そんなことしない。」
「お母さん言ったよね、あんたは人生無駄にしてるって。
学校もよくわかんない定時制行くし
進学もしなければ就職もしない…
無駄な人生送って申し訳ないとか思わないわけ！？」
「無駄って何？
なんで私の人生無駄か無駄じゃないかで決めていくの？！」
小さい頃からそう、何もさせてくれなかった。
最低限の物しか買い与えてくれなかったし
友達だってラウ以外作らせてくれなかった。
自分で決めたことなんて今まで一つもなくて
逆らってみたらまたこうやって軌道修正してこようとする。
「私はお母さんの所有物じゃないし
私の人生は私だけのものなの。
二人分も背負いきれないよ！！」
「そんなことない！
あのね、お母さんはこれまでいっぱい苦労してきたの、
だからあなたにはそんな思いしてほしくないし
それに…」
「だからってお母さんの理想を押し付けないで！
私は私なのっ…！！」
母の前で涙を流すのは初めてだった。
居たたまれなくなって部屋に戻りベッドに入ると
布団を頭まで被って何見聞こえない様に遮断した。
微かに聞こえる母の怒鳴り声涙を流しながら
思い出すのは深澤さんの優しい文字だった。
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メイ(プロフ) - 深澤くんのハッピーエンド待ってました…！35から始まる構成はまさか過ぎて読む前からドキドキでした。ぱくだろうさんはハッピーエンド書いても天才です。 (2021年3月8日 2時) (
レス) id: 6e673490c7 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ぽきさん» 読んでいただきありがとうございます！楽しんでいただけて良かったです！ (2021年3月7日 18時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - ふっかちゃんさん» ありがとうございます！そう言ってもらえると嬉しいです、次も頑張ります！ (2021年3月7日 18時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - coccoさん» ありがとうございます！お話のなかのカウントダウンに合わせて逆から初めてみました。そう言ってもらえると嬉しいです！ (2021年3月7日 18時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぐたろう(プロフ) - りょっくさん» 読んでいただきありがとうございます！少しでも力になるようなお話になっていれば嬉しく思います( ´ ` ) (2021年3月7日 18時) (レス) id: 7ae9714678 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぐたろう
| 作成日時：2021年3月5日 20時
