しんゆう ページ3
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「きゃっ！」
『わっ！！』
御手洗から戻る途中、角から曲がってきた男の子とぶつかった。
2人で同時にごめんなさい！と頭を下げたからお互い思わず吹き出しちゃって、
『ごめん、俺が突っ走ってたから』
「ううん私こそごめんね？ぼーっとしちゃってた…」
『いやいや俺が悪い！今度ジュース奢らせて。名前何？』
「ジュースなんていいよ！」
『いーから、教えて？』
「３組の、……伊野尾A」
『Aちゃんね！俺は5組のやまだ！、今度ジュース持ってくから！』
そう言ってまた走って行っちゃった、やまだくん。
あんなに走ったらまたぶつかるよ、なんて心の中で話しかける。
「ふふ、」
侑李「なに1人で笑ってるの？」
「はっ、侑李……うるさいな、」
侑李「もー御手洗に行って遅いから迎えに来たのになにそれー」
「は？」
侑李「じょーだんたまたまだよ」
なんて呑気に歩き出すから後ろをついてく。
__
お昼休み、友達と机をくっつけてお弁当を食べようとしたらなにやら悲鳴のような歓声。
「なんの騒ぎ？」
『やまだくんが来てるって』
「……やまだくん？」
聞きなれた名前にゾッとする。もしかして、さっきぶつかったやまだくんって。
涼介「伊野尾Aちゃんいますか？」
うわ、まさかあのヤマダリョウスケだったとは。
ちょっと名前だけ聞いたことあるし、学園の王子。有名人なんだから、
『あんたやまだくんと知り合いなの？』
『そりゃそうでしょ、だって知念くんとさ？』
「や、知り合いっていうか、」
涼介「あ！いたいた！！はいジュース」
「え、ほんとに買ってきたの？」
涼介「ん！さっきはほんとごめんね？」
「全然！怪我もないし、ほんとに気にしなくて大丈夫だよ？」
私とやまだくんのやり取りをぼーっと眺める友達。
クラス以外の人からもちらちら見られて変な気分、
侑李「あれ、りょうすけなにしてんの」
涼介「あ、知念も３組だったかー」
侑李「…………A？」
え、侑李ってこんな有名人と仲良かったの？
全然聞いたことないんだけど
「侑李と知り合い、？」
涼介「え？知り合いっつーか……親友？」
「はっ、、！？！」
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作者名：もち。 | 作成日時：2019年7月14日 22時
