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『おい、ジュンいるかー?レッスン室空いてるから、はよ来いよー』
「へーへー……今行きますって。あ!アンタまた飲み物忘れたでしょ?もー毎度言ってますよねぇ?」
あの時以前にもAとジュンの仲は深まり、教室関係なくAが来るので毎度のこと夫婦のような仲を見せつけられるこっちのみにもなってほしい。
その場合どっちが夫でどっちが妻なんだろうと他の生徒たちも思ったが、それはあまり重要視されずに二人はそのままレッスン室へと向かった。
しかし、他の特待生。あるいは上級生から見たら気分の良いものではなかった。どうして、高嶺の花であるAと、そうではない生徒があんなに仲つむまじいことになっているのだろう。あの女が手に入るのに近いのは、特待生たちのはずなのに。
気に入らないと誰かが唾を吐いたが、ジュンは気づかなかった。
しかしAはばっちり聞こえていたので、後で絞め殺してやると睨んだ。
…………
『昨日のステップ改善出来た?』
「ある程度には。でも移動までの時間も間に合ってないし、体力的には問題はないと思うんですけどねぇ……」
『わかった。じゃあ1回教えたところまで通すか。…ジュン!こっちもちゃんとやってる?』
マイクを渡されて、こっちと言われれば勿論歌のほうだろう。ボイトレは授業でも行われているが、特待生よりかは浅い。だからジュンはA直々にレッスンをしごきにしごきいてもらい、甘い歌声と言われるほどに進化している。
勿論、Aのレッスン以外でもジュンは練習を繰り返しているのでその進歩は上々。
「もちろん。今日こそ完璧にしてやりますよ」
防音のレッスン室に曲が流れて、すぐに動きが始まる。確かにジュンのダンス、歌は成長している。この前移動時間が足りなかったステップも改善されて、動きがしなやなになりつつある。
しかし、次のステップをした途端に息が続かずにそのままへたりこんでしまった。
この曲はAの持ち歌でもあるが、その分激しい曲なので体力ともに消費が激しい。スポットライト上で歌う時には、暑くて半分息が持っていかれる。
「っ、もう1回!!」
こんなところでつまづいているわけにはいかない。盗めるもんは早いうちに習得しなければ
『やだぁ〜!ジュンちゃん可愛いっ!うんうん!頑張っちゃうわよぉ!』
「喋り方気持ち悪いっすねぇ」
『うっっせ。』
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死柄木朧(プロフ) - ナギナギの漢字違いますよ。正しくは凪砂です (2022年8月14日 22時) (レス) @page27 id: d2d08f032a (このIDを非表示/違反報告)
璃胡(プロフ) - めっちゃ心が死にかけてバクバク音鳴らしながら見てましためっちゃ続編楽しみにしてます!!!!!!! (2021年10月7日 21時) (レス) @page50 id: 22b34aab1f (このIDを非表示/違反報告)
伊弉冉アリスさぶ - 続編おめでとうございます!照明が落ちてきたときはドッキドキして続きを待っていましたが、ちゃんと生きているようで。良かったです… 続編、お待ちしております! (2021年10月7日 20時) (レス) @page50 id: c2abd4fe86 (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - マジで泣きました。続編も頑張ってください。楽しみに待ってます!! (2021年10月7日 19時) (レス) @page49 id: c0d88fed6a (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - すごい小説にひきこまれました。楽しみに待ってます。 (2021年10月4日 18時) (レス) @page44 id: 30bd05b899 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃亭 x他3人 | 作成日時:2021年9月19日 17時