ちゃっかりさんと彼女さん3 (ページ7)

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鷲掴み① ページ7

そろそろご飯を作りはじめなきゃと
思っていた時のこと…

ア「Aさん」

『ん？』

ア「今日は自分がご飯作りますよ」

『…え？』

突然、アイクさんが料理する宣言をしてきた。

『なんで？？』

ア「たまには自分が作ってみてもいいかと思って」

だめですか？っと
上目遣いで聞いてくる。

『いや、ダメじゃないけど…』

ア「けど？」

『アイクさん、料理できないでしょ』

そう、何を隠そうアイクさんは料理をしない。

やるとしても、私が料理をしている時に、
炒めたり、茹でたりと簡単なことを
手伝ってくれるくらいだ。

一緒に暮らし始める前も
自炊はしてなかったみたいだし、
アイクさんがご飯が作れるとは思えない。

ア「失礼ですねw」

『事実じゃん』

ア「まあ、Aさんのようには作れないですけど」

んー、料理するのは構わないんだけど…

『なんで急に』

そう聞くと、アイクさんは目線を逸らした。

ア「……なんとなくです。」

え、なにその間。

まあ、自分が特別作ることに
こだわってる訳でもないし、
アイクさんが料理をしたいなら

『じゃあ、お願いしようかな』

そう言うと、
アイクさんは笑って

ア「任せてください」

と台所に向かう。
私もその後ろをついて行く。

『なに作るの？』

ア「パスタです」

『なにパスタ？』

ア「カルボナーラ
…前にともさんが作ってたやつです」

なるほど。
確かに、包丁を使うことがほとんどなかったし
簡単で美味しそうだった。

『いいね』

ア「はい…というか、Aさん
なんでついてきてるんですか？」

『え？』

ア「今日はゆっくり座って待っていてください」

そうは言っても…

『心配なんだもん』

ア「ふふふw大丈夫ですよ」

『私もなにか手伝うよ？』

ア「本当に大丈夫ですから、座って待っててください」

『…わかった』

こうしてアイクさんのお料理がはじまった。