二十七話 ページ28
静まり返る教室。重たい沈黙を破ったのはロヴィーノであった。
「それ、本気か。菊」
「本気でなければこのようなことは言いません」
間を空けることなく答えた。それほど彼らには勝てる自信があったのだ。八十二点を全教科とればいなくなる。楽ではないか。こんなに楽に追い出せるならやらないはずがない。
「それってさ……俺たちが先生に負けましたって言ってるみたいじゃない?」
フェリシアーノが冷たい目で菊を見た。それに怯えることなく菊もフェリシアーノを冷たい目で見る。組んでいた足を下ろして立ち上がる。菊に近づき挑発するような笑みと言い方で彼に迫った。
「何かムキになってない?いつもの余裕がないよね、菊。それだけ先生にビビってるんだよね?」
「ビビってなどいません。私はいつも通りですよ」
髪を耳にかけようとする菊。フェリシアーノはそれを見逃さず菊の腕を掴んだ。
「菊は余裕がないと髪を耳にかけるよね」
「放しなさい」
「言い返せないほど余裕がないんだ」
凍るような冷たい空気。するとイヴァンが立ち上がり二人の近くに行くと、水道管を二人の間に振り下ろした。そして満面の笑みで言った。
「いい加減にしないとマシューくんに言っちゃうよ?」
その一言で二人は席に座った。ずっと二人の言い合いを聞いていたAは「やっと終わったか」というようにため息をついて腕を組み辺りを見渡した。

50人がお気に入り
「ヘタリア」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しげの2号(プロフ) - 殺傷死神さん» わああ!ありがとうございます!文才なんてありませんよ……!頑張ります! (2017年7月14日 0時) (レス) id: e8a6c96ff8 (このIDを非表示/違反報告)
殺傷死神(プロフ) - 物凄い文才ですね!画面の前で一喜一憂していました。頑張って下さい!(^-^) (2017年7月6日 23時) (レス) id: 510a955d63 (このIDを非表示/違反報告)
しげの2号(プロフ) - Licoroさん» 承知したでござる! (2015年9月20日 17時) (レス) id: e8a6c96ff8 (このIDを非表示/違反報告)
しげの2号(プロフ) - 世界領@ヘタリアさん» みんな仕事はってなりますね(笑) (2015年9月20日 17時) (レス) id: e8a6c96ff8 (このIDを非表示/違反報告)
Licoro - もっと、もっとギルが欲しいです。ギルベルトカモン!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: 68ead56367 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しげの2号 | 作者ホームページ:
作成日時:2015年9月2日 19時