二十二話 ページ23
近づくにつれヴァルガスたちが倒れている理由が分かる。前に会った父親の借金取りにやられたのだ。高校生相手に随分バカなことをしたようだ。まだ彼らは子供だぞ?そう思い、嘲笑いながら一人を殴った。
「お前らまだ分かんねぇみたいだな。なんなら私が授業してやるぞ……?」
「ひ……っ」
Aの鋭い目に借金取りはビビった。だが逃げようとはせず、戦闘態勢をとった。暴力は避けたほうがいい。お互い何も得しない。男は拳で語り合う、なんて言うがAは女だ。男が拳で何かを語りかけても彼女には聞こえやしない。
「大人なら分かるだろう。彼らが父親の抱えた借金を今すぐ全額で払えると思うのか?」
「そ、それは……」
「なら払えるようになるまで待ってやれよ。これ以上困らせるな。彼らだって苦しんでいるんだ。お前たちが五百万返してくれなくて苦しんでいるように」
そう言うと借金取りは黙った。だがこのまま卒業して働けて安定するまではかなりの年月がいる。それまで待つのも気の毒だ。そう思ったAは懐から封筒を取り出しそれを渡した。
「十万。私が代わりに十万だけ払う。貰っておけ。あとは彼らが安定するまで待ってやれ」
「え……何であるんだ?」
ムスッとしたような顔をして「内緒だ」と言った。すると借金取りは満足したのか納得したのか、去っていった。それを見届けるとヴァルガスたちの頭を起こして声をかける。無事だったみたく、小さく笑った。
「なんで……十万」
フェリシアーノが真っ直ぐ見つめながら尋ねる。そんな彼にフッと笑い答えた。

49人がお気に入り
「ヘタリア」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しげの2号(プロフ) - 殺傷死神さん» わああ!ありがとうございます!文才なんてありませんよ……!頑張ります! (2017年7月14日 0時) (レス) id: e8a6c96ff8 (このIDを非表示/違反報告)
殺傷死神(プロフ) - 物凄い文才ですね!画面の前で一喜一憂していました。頑張って下さい!(^-^) (2017年7月6日 23時) (レス) id: 510a955d63 (このIDを非表示/違反報告)
しげの2号(プロフ) - Licoroさん» 承知したでござる! (2015年9月20日 17時) (レス) id: e8a6c96ff8 (このIDを非表示/違反報告)
しげの2号(プロフ) - 世界領@ヘタリアさん» みんな仕事はってなりますね(笑) (2015年9月20日 17時) (レス) id: e8a6c96ff8 (このIDを非表示/違反報告)
Licoro - もっと、もっとギルが欲しいです。ギルベルトカモン!! (2015年9月20日 17時) (レス) id: 68ead56367 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しげの2号 | 作者ホームページ:
作成日時:2015年9月2日 19時