肆拾壱 “〃 (3)” ページ47
＊
───────その日の夜。
朝に話していた任務を終えて、私と仁は二人でポートマフィア楼閣へと帰る途中だった。
今回の私達の仕事は死体処理、そして異能特務課に気付かれない様に現場偽装する事で、小一時間程度で終える事が出来た。
ふと空を見上げると綺麗な青い月が夜空にぽつんと浮かんでいた。
先代首領が暗殺された時に見た紅い月でも無く、前世で見た紫色の月でも無い、海の様に澄んだ綺麗な青だった。
何時の間にか私は立ち止まっていたらしい。
仁に呼ばれたので小走りで駆け寄ると不思議そうな顔をして｢大丈夫か｣と尋ねられた。
大丈夫だと云えば｢そうか｣と短く返事して優しく手を握られた。
フォーマル手袋をしていないので仁の平均体温より少し冷たくて心地好い体温が掌越しに判る。
『誰かと手を繋ぐのは久しぶりだ』
｢ああ、俺もだ｣
何処か懐かしい様な擽ったい様な気持ちになり、お互い笑い合っていたが急に彼の顔に影が差した。
｢A｣
立ち止まった彼につられて私も立ち止まる。
暫くの間俯いていたが何か決心をした様な表情で口を開いた。
｢朝云っていた残りの一割の理由が知りたいんだ、教えてくれ｣
『……それは仁にとっては申し訳ない事かも知れない。それでも聞きたいか？』
真剣な表情で頷く彼に今度は私が少し俯き、目を伏せた。
蘇る記憶が余り善い物では無かったからだ。
『似ていたんだ、昔の知り合いに』
｢知り合い？｣
小さく頷いてから目を閉じた。
転生した今でも、はっきりと覚えている彼奴の顔が思い浮かぶ。
それは不敵に笑っていたり、死を望む顔でも、此方を睨み付けている表情でも無い。
何時も思い浮かぶのは最期の解放への喜びを表したような、それでいて悲しそうな笑顔だ。
『とある男だ。死に場所を探していた仁と瓜二つの顔をした、な』
｢死に場所……｣
『そう、死に場所だ』
彼奴等……“イミテイト”は戦争に取り憑かれてしまった故に己等の死に場所を求め彷徨う幽霊
___正に、主なき
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黒龍(プロフ) - 様々なオタクさん» もしやSAOの……？() (2021年6月12日 19時) (
レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
様々なオタク - ヴァッサーゴ？！ヴァサゴ？！POH？！ (2021年6月12日 18時) (レス) id: eccd7c5314 (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - 布教する猫さん» コメントありがとうございます！更新に関しましては不定期になりますが頑張ります^^ (2021年1月16日 11時) (レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
布教する猫(プロフ) - すっっごく面白いです！！更新頑張って下さい！！(* ´ ▽ ` *) (2021年1月14日 20時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - じしゃくさん» コメントありがとうございます！そして、そこに気付いて頂けて凄く嬉しいです……！！ (2020年3月29日 17時) (レス) id: 9b97ad947e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒龍 | 作成日時：2018年5月21日 1時
