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拾玖 ページ24

「君達は仲が善いねぇ」


「姉弟に見えますね」


「二人共眼科行ってきなよ」


『太宰さんとは友達になりましたので仲が善いと云って貰えるのは非常に嬉しいです』




ね?と太宰さんに同意を求めるがプイッと顔を逸らされた。
首領と森さんに理由を求め、視線を向けたが微笑ましそうに笑うだけで何も云ってくれなかった。
之が修治が前に云っていたデジャヴと云う奴なのか?




「森さん、徐々(そろそろ)


「嗚呼そうだね。蘭堂君はもう下がって善いよ。あ、A君の部屋の件については先代同様許可するから気にしないでくれ給え」


「では私は失礼致します」


『御許可有難う御座います』




「また御茶会楽しみにしてます」と私の耳元で告げた蘭堂さんは微笑してから出て行った。
結局私は何故此処に連れて来られたのか判らないが自室に戻ろうと思いドアノブに手を掛けると反対の腕をパシッと掴まれる。


振り返ると如何やら首領が私の腕を掴んでいた
恐らく之からが本題だったのだろう。




『任務ですか?』


「否、違うよ。今後の話でもしようかと思ってね」




「取り敢えず座り給え」と先程座っていた長椅子に座らされた。
蘭堂さんに聞かれては拙い内容なのだろうか?
それともまさか……




馘首(クビ)、ですか?』


「……ははっ、!A君は面白い事云うね。部屋の許可を出したのに馘首にする訳無いよ。それに君は優秀だからね」




サァーっと血の気が無くなる感じがしたが善かった、馘首では無いらしい。
ホッと胸を撫で下ろす。


首領は私達と対面する様に近くの椅子を持って来て座った。




「却説、A君。君に御願いが有るんだ」


『御願いですか?』


「先代が亡くなられて私が首領の座に着いたとの報告書を傘下の者達や部下に渡したが恐らく最初の内は味方になる者が少ない」




まあ、それもそうだろう。
普通は血縁関係の者、並びに五大幹部と呼ばれる者達の中から選ばれる。
元町医者が此の様な大組織の首領の座に着くなど有り得ない話だ。




「そこで組織内で構成員達と上手くやっているA君に御願いだ」


『首領派では無い構成員達を上手く引き込めとの事でしょうか?』


「物判りが善くて助かるよ、頼めるかい?」




此の人は拒否権が無い事を判って云っているのだから本当に何と云うか……まあ善い。
新首領からの御願い(と云う名の任務)、完璧にこなしてやろうじゃないか。





『仰せのままに、首領────。』

弐拾 【十五歳編】→←拾捌



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黒龍(プロフ) - 様々なオタクさん» もしやSAOの……?() (2021年6月12日 19時) (レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
様々なオタク - ヴァッサーゴ?!ヴァサゴ?!POH?! (2021年6月12日 18時) (レス) id: eccd7c5314 (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - 布教する猫さん» コメントありがとうございます!更新に関しましては不定期になりますが頑張ります^^ (2021年1月16日 11時) (レス) id: b77228759e (このIDを非表示/違反報告)
布教する猫(プロフ) - すっっごく面白いです!!更新頑張って下さい!!(* ´ ▽ ` *) (2021年1月14日 20時) (レス) id: 0899319726 (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - じしゃくさん» コメントありがとうございます!そして、そこに気付いて頂けて凄く嬉しいです……!! (2020年3月29日 17時) (レス) id: 9b97ad947e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒龍 | 作成日時:2018年5月21日 1時

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