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「大樹、大樹ってば！！」
『………こ、ず……え、』
「ダメ、お願いだから、まだ息をちゃんとしてて！」
『……泣かないの、からだ………つらく、ない、？』
「平気、全然大丈夫。あと1週間ぐらいで産まれるって、もうちょっとだよ」
『…………がん、ば、れ、』
「大樹は？子供に会いたいでしょ？お願い、もうちょっと耐えて」
『……きょう、だと、おもうよ』
「何を根拠に、そんなこと言うの」
『………こども、の……ベッド、っ、とか、』
「あるよ、全部揃ってる。大樹が調子良い日に通販で買ってくれたんでしょ？家に送られてきてビックリしたよ、また勝手なこと」
『………イヤ、だ、った』
「嫌じゃないよ、あの家にサイズも色もピッタリだし、全部好きな物ばっかり」
『……梢の、好みぐらい、知ってる、よ』
「そうだね、いろんなこと知ってるよね。大樹、ゴメンね。私さ、口は悪いし色々雑だし家の片付けは忙しいのに全部大樹がやってくれてたし、暴言ばっか吐いてた。すぐに逃げられるよって友達にしょっちゅう言われたのにさ、ずっと、一緒にいてくれたじゃん」
『………ま、好き、だし、ね』
「うん、そうだね。私も、好きだよ、ずっと」
『…………あの、ね、っ、ぁ、』
「ゆっくりでいいよ？」
『…………わがまま、ゆるして。あの、いっしょに、住んでた、家……ちゃんとね、買った、の』
「…え、？」
『………ちょっと、の、あいだ、でいいからっ………ぼくの、思い出、と、あそこで、暮らして、ほしいの』
「ちょっとの間って、大樹が買ってくれたんだったら一生住むよ」
『…………あの家、こずえ、のさ、好きなもの、が、たくさん、ある、でしょ』
「そうだね」
『……………それ、なら……さみしく、ない、ね』
「大樹？」
『………すき、なの、……こずえ、のこと、しばりたく、ないって、おもってた、けど、でも、すき、だよ、』
「分かってるよ、大丈夫、ずっと一緒にいてよ。離れたくないよ」
『…………ん、そ、う、だね、』
「大樹、愛してるよ、ずっと」
【撮影開始から94日目】
牧村大樹役 葉歌Aクランクアップ
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作者名：Radu | 作成日時：2021年8月9日 22時
