10人目の居場所は、ここに。ー４ー (ページ22)

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Sakuma side

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岩本「ってことだから」

佐久間「了解、任務仰せつかりました！」

うたの詳しいことは俺らは知らない。

昨日病院に連れて行ったのはマネージャーくんだし、その前に見つけたのは照と阿部ちゃんだし。

照が結局病院に泊まったらしいけど、そのことも詳しくは教えてもらえなかった。

うたって変なとこ気を遣うんだよね。

それに、大丈夫かなって目で見られるのを極度に嫌う。

自分がみんなの関心の的になることが本当に気まずいんだとか。

だけど、さっき照がちょっとだけ教えてくれた。

リハが始まったらみんな自分のことで精一杯になるだろうし、俺もうたまで目を配れるか自信ないから、ってね。

昨日の夜に喘息の発作を起こして、それからあんまり寝れてないし、朝もたくさん点滴を打ってもらって来たけどそれが切れたら動けるか分かんないらしい。

今日は見学かなーって思ってたけど、いきなり踊る準備始めてるからなんでだろって思ってたら、時間が経てば経つほど動けなくなるからってことなんだって。

リハはいつも通りに進んだ。

時間は限られているし振りは全員頭に入ってるから立ち位置とか細かいことの確認が多いけど、全員が集中していたと思う。

次に全員で踊れるのは本番直前のリハだけっていう緊張感が漂っていた。

お昼をちょっと過ぎた辺りで、アクロバットをした後のうたの着地が乱れた。

元々危ないからやめときな、ってみんな言ってたけど午前中だけはやらせてって切実に懇願されたのに誰も勝てず。

休憩の度にちゃんと休んでたから大丈夫かなって、ちょっと油断してた。

佐久間「うたっ！」

『………っ、は、』

岩本「一旦止めよう、どうした？」

宮舘「どこか捻った？」

『……いや、っ、めまい、する、』

目黒「俺、隣の部屋に運ぶよ。肩借りれる？」

ラウ「じゃあ俺も！」

すっかりうたの接し方に慣れた2人が、足の力が抜けてフラフラと倒れそうになったうたを抱えて隣の部屋に運ぶ。

なんとなく、心のどこかでこうなる気がしていた。

落ち込んだ顔を見せるメンバー全員を照が奮い立たせて、その後の練習は続いた。

うたが戻って来たのは最後に何回か通そうか、って話になった頃。