10人目の居場所は、ここに。ー４ー (ページ15)

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Raul side

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楽屋の端のソファ、いつもの定位置にいるAくんになかなか話しかけに行けずにいる。

両耳にはイヤホン、手元にはドラマの台本、話しかけないでくれってオーラがガンガンに出てるから。

けどここで怯んでる場合じゃないし、謝らなきゃだし。

Aくんの隣にボスンと座って左耳のイヤホンを外した。

勝手に自分の耳に入れれば、1カ月前に公開された新曲。

Snow Manのじゃなくて、haUta名義で出された翔太くんが歌う曲。

耳に入ってくるこのメロディーを何回聞いたことか。

ラウ「Aくん」

『あ、待って』

「……えぇ？」

『なんか謝られる気がしたから』

「だって、謝んなきゃ気が収まらないし、悪いことしたし、というか全部僕が悪かったし、言い方とかほんと最低だったし」

『大丈夫、そんなに気にしてないから』

「…家帰って、車の中で泣いてたのに？」

『あ？ねぇ！絶対葵じゃん！！もうマジ最悪、恥ずかしいんだけど』

「ふっかさんから聞いたけど、さすがにものすごく反省した」

『確かに、泣いたよ？珍しく号泣したよ？けど、嬉しさ半分だった。だってラウールが真正面から僕の言うことを否定して嫌だって言ってくれて、あれ？僕結構ラウから好かれてんのかな、って嬉しかった』

「………好きだし、」

『ん？』

「Aくんのこと好きだし！！好きじゃないわけないし！！」

『おぉ、すごい勢いだ、ね』

佐久間「なんかイチャイチャしてる楽しそー！！！」

渡辺「あーうるせぇな外でやれよ」

深澤「ってかさ、なんかその一件で俺が葵からしばかれることになってんだけど」

岩本「かわいそうに」

深澤「棒読みやめろよおい！！」

阿部「ねぇ、今俺アンケート書いてるんだけど、テーブル揺らさないでもらえる？」

『……阿部くんが怒った、』

ラウ「怖いね」

『怖いよ』

ラウ「逃げる？」

『逃げようか』

宮舘「あれ、2人いなくなったけど」

向井「撮影もうすぐ始まるんやろ？」

目黒「マジめんどくせぇ」

" 白は何にでも染まれるけど誰かに新しい色を足すこともできると思うんだ "

" ラウールは僕にとってそんな存在だから、正直な言葉をもらえただけで嬉しかった "

そう言ってくれるAくんの全てを応援できる存在でいなきゃ。

心の奥底に誓いを立てた。