12話・真 ページ15
意識が深い水底から浮き上がる様な感覚が生じ、目が覚めた。
__うっすらと開いた視界に最初に写ったのは、住み慣れた家の姿だった。
「……え?」
__目の前の光景に目を疑った。 私はあの時、確かに刺されたはずだ。
「……なのに、どうして?」
この状況に理解がついて行かず、思考が停止する。
___今、自分は本当に生きているのか。
自らの生存を確かめようと刺された傷のある腹部に触れると、
ナイフが深く刺さっていたことが分かる。
それを理解した途端、フードの人物に対して殺意が湧いた。
フードの人物に、次会ったら毒を盛ってやろうかなどという物騒な考えが脳裏に浮かんだ。
__もう二度と、刺されるのは御免だが。
そんなことを考えながら勢いよく起き上がろうとすると、腹部に電流の様な激痛が走る。
「…痛ぁっ?!」
突然の激痛に叫び悶えていると、沸々と色々なものが込み上げてきた。
__フードの人物への怒り。
__マスターや、他のみんなへの申し訳ない気持ち。
__自分の中の、辻褄の合わない欠けた記憶。
あの時のフードの人物には、まるでどこかで一度会ったことがあるような、無いような。
そんな感覚があった。__どうして、だろうか。全く心当たりが無い。
「……」
思い出そうとしても当然欠けた記憶が戻るはずも無く、ベッドに座ったまま考えていると、
眠たくなってきた。
__もう少し寝ていよう。そう思い、布団を被り、目を閉じた。
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月見ノ(プロフ) - Gingerさん» わざわざありがとうこざいます、メンバーは6人になる予定です!これからもよろしくおねがいします! (2017年7月6日 22時) (レス) id: 27b064b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
Ginger - Incredibile!Divertente!(凄い!面白い!ってことです) (2017年7月6日 15時) (レス) id: bc44d2c5f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よっけおる x他2人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2017年7月3日 21時