29．任務 ページ32
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あの夜のことは
きちんと五条先生に話しておいた。
宿儺に遭遇したことと、その話の内容。
“宿儺にわかんないんじゃ、
現代人の僕らがわかるはずもないよね〜”
……とは、五条先生の弁。
ついでに、夜勝手に出歩くことも禁止された。
曰く“女の子が一人でなんて危ない！”と。
◇
「なーんか、手応えないわね」
今日は一年全員で任務。
場所は、“出る”と噂の廃病院。
ただでさえ呪いの溜まりやすい病院に、
尾ひれのついた噂が合わさって
呪霊の吹き溜まりになっているらしい。
確かに外から見た時は雰囲気がすごかった……が。
『確かにあんまりいないね。呪霊』
「それもそうだけど弱すぎんでしょ！ 全部！」
「いいじゃん、強くなったってことだろ？」
実際は数少ない、居ても弱いで拍子抜け。
大物が出てきた時に備えて
全員で探索しよう、としたものの。
『…これ、別行動にした方が効率良かったりする？』
「用心に越したことはないと思ってたが…
警戒しすぎたかもな｣
「外の見た目があれだもんねー｣
「あーもういいわ、別行動にしましょ！
ほら漆葉、行くわよ｣
思い切りのいい野薔薇に急かされて
恵と悠仁とは逆方向に足を踏み出す。
一緒に顔も向けて、…ヒヤリと心臓が冷えた。
野薔薇の背を狙う呪霊が
鎌のような手足を振り上げている。
『野薔薇ちゃん！！』
即座に装備していた二振りのダガーナイフを抜き、
間一髪でその凶刃を打ち払った。
『大丈夫！？』
「え、ええ…私、危なかった？｣
『え？ う、うん』
見るからに動揺している野薔薇が口にしたそれは、
腑に落ちないような色がある。
『いま、呪霊が後ろに』
「呪霊？｣
『うん。野薔薇ちゃんの後ろに』
「後ろ？ …何もいないじゃない｣
『……え？』
ありえないはずの言葉。
バッと瞬間的に後ろを振り向く。
「何してんだ、A｣
「なんかいたのかー？｣
悠仁と恵。頼みの綱だった彼らもまた、
訝しげな表情で私を見ていた。
『……そんな』
ありえない。
だって、私の目の前には。
はっきり。疑いようもないほどはっきりと、
呪霊の姿が、見えているのに。
▽
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Sn(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます。五条悟オチです。長めのお話になる予定なので、頑張って完結させたいと思います。 (2021年8月26日 22時) (
レス) id: 812f073419 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年8月25日 23時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
Sn(プロフ) - Spicaさん» ありがとうございます。励みになります。 (2021年8月25日 14時) (レス) id: 812f073419 (このIDを非表示/違反報告)
Spica(プロフ) - とても面白いです！続き期待してます！ (2021年8月25日 14時) (レス) id: 68c958f74e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sn | 作成日時：2021年7月24日 16時
