普通の高校生2【安室透／降谷零】

36『ゼロの執行人』 ページ22

アタシと新一が唖然とする中、安室さんは目を細めて笑っていた


けど、



「行くよ…安室さん！」



新一の声で我に返る




「1ミリでもいい。ずらせるか？」

「そのつもりさ」



新一のカウントダウンが始まる




アタシはギュッとシートベルトを握り締める



危機的状況なのに頭の中は安室さんの言葉でいっぱいだった



さっきの言葉も日本橋での言葉も…




冗談だと…思いたい…





「「ゼロ＿＿＿!!」」



2人の声で車が飛び出した



荒い運転の中、振り落とされないようにアタシは体に力を入れる



ボンネットから炎が上がり、視界が赤く染まる



鉄骨の階段を一気に駆け上がり、車は大きくジャンプし、コンクリート壁を突き破って飛び出した


新一が左手首に巻いたシートベルトを掴み、右手でベルトのボタンを押し、飛び出したサッカーボールをカプセルに向かって蹴った



炎の中から飛び出したボールは夜空を一直線に進み、カプセルと激突


夜空に大輪の花火が咲いた



『コナン君！』



シートベルトから手が離れ、落ちてく新一を掴む



アタシは何も掴んでないから、真っ逆さまだけど、



後ろから強い力で引き寄せられ、誰かの＿＿安室さんの腕に抱えられる




同時に彼は拳銃をかまえ、国際会議場の大屋根を囲むガラスに銃弾を放つ



ヒビが入ったガラスにアタシ達は飛び込んだ



「ぐっ！」

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