普通の高校生2【安室透／降谷零】

28『ゼロの執行人』 ページ14

職員達が外に出ていき、ロビーは人気が無くなった




「もっと早く気づくべきだったよ。アンタが申請した証拠一覧を見たときにな…」





そう、証拠一覧の鑑識写真を見たとき、






『不詳』と書かれた黒っぽいガラス片の写真があった






どこかで見たと思ったらあれは圧力ポットのタッチパネルの部分だった…







『あれは犯人しか知らないものだし、貴方はそれに気づかず証拠申請してしまった…』






発火物がまだ『高圧ケーブル』だと思われていたときに…、

とアタシは鋭く見上げる





日下部検事は肩を跳ね上げた





その時、新一のスマホが振動した







「去年起きた『NAZU不正アクセス事件』の公判資料だ。アンタが担当した」






「そうか、その事件の手口は、ノーアを使った不正アクセス…」




「自分が担当した事件の手口を使って、サイバーテロを働いたんだよね？」






「でも、それには誤算が生じた」




「NAZUではすでに犯人を追跡するシステムが完成していた」






彼等の話が図星のようで、日下部検事は安室さんにタックルするように腕に絡みつき、スマホを奪って逃げ出した






アタシ達はすぐに後を追い、駐車場に出た




「あのスマホにノーアを使った痕跡があるんだ！」


「まったく！」



手を焼かせる…、と言わんばかりに顔を顰める安室さんはアタシ達を追い抜いて行った

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