白黒 ページ30
・
後ろから、レイリーさんの声が聞こえた。
来てくれたんだ…！！
でも、姿は見えない。
⌜あァﾞ？！…ッ、ひ、お前は…！！⌟
「誰が、この子に手を出して良いといったのか……教えてもらえないだろうか？」
⌜ギャア！！！いﾞでェ！！！⌟
『っ、が、ッはっ、はぁっ、…！！』
いきなり手が離され、空気が体内に押し寄せる。
それでも目の前は白いまま。
⌜おい、こいつ…！！ヤベェよ！！⌟
「3秒以内に去りなさい。そうでないと…わかるね」
⌜ヒィ…！お、おい！！逃げるぞ！！⌟
⌜ま、待て！！置いてくな！！⌟
バタバタと海賊が立ち去るのが分かる。
怖、かった。心臓がやけに早く。大きく聞こえる。
でも、でも…！！目が見えない…どうして…！！
強く目を擦る。何度も擦る。目を瞑ると、ちゃんと黒い世界。
でも開けると真っ白なのだ。
すると背中に暖かい手が置かれた。
一瞬ビックリしたが、レイリーさんの声が届いて安心する。
「A…！大丈夫か、…首が赤いな」
『ぁ、レイリーさん、私ッ…！！』
とりあえず、正面に向かって喋るが、次の声は横から聞こえてきた。
「ん、私はこっちだぞ？…見えていないのか？海賊に何をされた…！？」
『ッ、違…分からないんです…！でも、見えない、…！前が、見えなくてッ！！』
「…！落ち着いて。ほら、深呼吸してみなさい。」
『っ、はぁ、、ァ……ッ』
上手く息が吸えない。
息ってどう吸うんだっけ。
何かがつっかかったように、呼吸を妨げている
「落ち着くんだ。鼻から吸ってみなさい」
『っ、、ッ…！！！』
できない。できない！！
どうして！？いつもやってることなのに！
焦るばかりで何も出来ない。どうしよう、
苦しい…！！
「っ…！すまない、手荒だが…中に運ぶぞ。」
コクコクと頷くと、担がれる感覚。
身体が浮いて、脱力する。
「シャッキー！居るか！」
「！Aちゃん、一体どうしたの！？」
「説明は後だ！いくつか用意して欲しいものがある」
「分かった、すぐ準備するわ」
あぁ、ごめんなさい。私、超迷惑かけてる……
あーあ。ほんとやんなっちゃう。
こりゃだめだ…私、生きて、いけないわ……
それから、白い世界が暗転して
私は意識を失った。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 507人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモン - めちゃくちゃ面白いです⭐️レイリーさんめっちゃイケメンなんですけど！！ (11月20日 14時) (
レス) @page48 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - ゲンコツが面白すぎる🤣 (2022年5月2日 2時) (レス) @page41 id: 9db3f9f6b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まうゆ | 作成日時：2021年6月29日 22時
