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映画の、主人公になりたかった。
この世界に1人だけの王子様をもつような、そんな主人公に。
でも、現実世界はそう甘くない。
…私が好きな人は、私を好きじゃないし、
どれだけそばにいたって、親友止まり。
知ってた。
そんなこと、とっくの前から知ってるよ。
でも、蓮が言うんじゃん、
｢そんなのなれるよ。絶対なれる。Aを好きな人にとって、Aはヒロインじゃん｣
ヒロインになりたい＿
｢ほら。だって、俺にとっての“彼女”はそうだからさ｣
“彼女”を思って笑う、あなたのヒロインになりたい＿＿
**
｢阿部、亮平、、さん…？｣
多分一目惚れ
すぐ分かった、めめのことが好きなんだって＿＿
痛くて、辛くて、でもやっぱり好きだから
｢めめ、次の出張で英語使わなきゃいけないよね？｣
卑怯な手だって、
｢幼馴染、帰国子女で英語得意だから紹介しようか？｣
厭わない。
ねぇ、俺を見て＿＿＿＿
***
やっと見つけたと思った。
初めて女の人で、惹かれた人。
｢蓮くん！｣
その笑顔が、俺にとっての“幸せ”で“気力”で、
その笑顔を守れたらそれでいいんだって＿＿
それだけでいいって＿＿
でも、なんでか胸が痛い
気づきたくない。
気づいたらダメ。
｢蓮くん、好きだよ｣
Aが阿部ちゃんと仲良くしようが、俺には関係ないことだから。
****
｢蓮くん、｣
どこ見てるの？
｢好きだよ｣
誰のこと考えてるの？
｢俺も、｣
ねぇ、本当に＿＿＿＿？
かっこよくて、優しくて、
亮ちゃんに紹介されて初めて会って、だから関わってきた年数はAちゃんには叶わないけれど。
ねぇ蓮くん、どこにもいかないで＿＿＿
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『エンペドクレスの主張とその証明』
cast
阿部亮平
佐藤A
目黒蓮
本田 華
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作者名：午前12:00 | 作成日時：2022年10月2日 23時
