宣戦布告41 ページ42
────────《V》拠点、地下。
《ロゼ》戦後すぐ、僕とキッショーさんは芥子に呼び出された。
芥子「有馬、お前の【娘】についてだが」
有馬「…はっ」
芥子が口にしたのはAの事。
芥子「《V》の一人から報告があった…【有馬Aのクインケ操術が《和修》のものとは異なる様に見えた】と」
旧多「…!」
僕はハッとして息を呑む。
それは僕も何となく感じていて、でも確証が持てていなかった案件だ。
やはりAの剣術は違かったのだ、和修のそれと。
僕は同調して見解を述べようと口を開く。
旧多「僕も────────」
が。
有馬「…それは無いでしょう」
僕が言いかけた瞬間、キッショーさんはまるで遮るように硬い声を発した。
芥子「ほう?何故言い切れる」
有馬「Aには俺が直々に剣術を仕込みました。《庭》の技術を…報告者の見間違いでは?」
どこか頑なさを感じるキッショーさんの物言いに、芥子は「そうか」と納得の色を見せる。
有馬貴将直々の伝承、という本人の言及は《V》において絶対的な効力を有していた。
有馬「何なら念の為、Aとの組手をお見せしましょうか」
芥子「いや…良い。下がれ」
有馬「はい」
旧多「…はーい」
芥子の元を退いた後、僕は有馬貴将に問う。
旧多「何でさっき嘘ついたんです?キッショーさん」
すると彼は目を伏せ…短い返答を口にした。
有馬「…時が来たら、ニムラにも分かるよ」
旧多「時…?」
有馬「今は言えない。でもそのうち、きっと分かるから」
一方的に言うとキッショーさんは踵を返し、足早に去って行く。
有馬「…俺は、罪を犯した」
恐らく無意識に呟いたであろう、意味深な一言を残して。
旧多「罪?」
当時の僕にはその《罪》が何たるかなど、さっぱり分からなかったけれど。
それから何ヶ月も後になって初めて、僕は、有馬貴将が犯した《罪》を知る事になる。
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みきざわ(プロフ) - あずまさん» 鼻血どんどん出しましょう!(笑)閲読有難うございます〜! (2019年1月23日 19時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
あずま(プロフ) - あぁ…やばい、、、鼻血でるぅ(;´Д`)ハァハァ (2019年1月23日 15時) (レス) id: 97c5686003 (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - えぬ=)さん» ニムラの魅力、少しでもお伝え出来ているのなら幸いです!尊敬だなんてそんな、勿体ない(笑) 嬉しいお言葉、恐縮です! (2019年1月21日 5時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ=)(プロフ) - ああ……溶けちゃいそうです……← 本当に最高です……前作からずっと思ってたけど最高です……尊敬してます……!何故そんなににむにむの魅力を素晴らしいクオリティで書けるのか……尊敬してます(二回目) (2019年1月21日 0時) (レス) id: ae2a3cb03d (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - ハニーさん» 謹んで新年のお慶びを申し上げます!2019年がハニー様の良き年になる事を願っております... (2019年1月1日 0時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みきざわ | 作成日時:2018年12月16日 18時