宣戦布告３０ ページ31
『旧多一等はよく私服着るんですか？』
旧多「いえ、あまり。月イチ程度ですかね」
街中でいがみ合っていてもしょうがないので、最初のうちは当たり障りの無い会話をしながら歩き出す私達。
幾ら何でも街道で『上官のばーか！』「Aのあーほ！」みたいなやりとりしたら…うん、気持ち悪いな。
想像するんじゃなかった。
旧多「それで今日はどちらに？」
『ええと、隠れ家的な穴場スポットに…上官、ちょっと歩くんですけど大丈夫ですか？』
旧多「えぇ勿論」
私が苦心惨憺で選んだのは、人気店とかセレブ御用達ではないけれど…雰囲気が落ち着いている珈琲店。
一瞬ホテルにある高級珈琲屋さんと迷ったけれど平均金額を見て速攻でやめた、っていうのは内緒。
『あ、イルミネーション！』
旧多「ぶふっ！あんな電飾でよくもまぁそんなに…お子ちゃまですね〜A三等ホント」
『お子ちゃまァ！？失礼ですね、ちゃんと成人…』
────────ヒュウッ…
旧多「…おっと」
『さ…寒っ…！』
何だかんだでいつも通りの遣り取りをしていると、突如どこからか冷たい風が吹いて来た。
寒い。
よく考えると今の私は服のデザインの都合で首をこれでもかと晒しており、寒くない訳がない。
しかも今日に限ってマフラー忘れて来たし。
『う〜、風イヤだ…ひいっ！』
応急処置的にジャケットを手繰り寄せて首元を覆うも、すぐまた隙間風に悲鳴を上げる羽目に遭った。
そんな私を見てクスクス笑う旧多一等。
旧多「アハハ、そんな首がら空きの服着てるからですよ」
腹立つなー、半端にイケメンな人に言われると余計に。
『…そこまで頭回らなかったんです』
負け惜しみめいた事を言いつつそっぽを向く。
良いですよね、上官は首元完全防備ですもんね…
心の中で溜息をつきながら首を竦めた時だ。
旧多「しょうがないなぁ」
視界の下部に入り込む上品な赤。
寒かった首に柔らかな肌触りのものが巻き付き、冬の容赦無い冷気をシャットアウトする。
『え』
嘘。…マフラー！？
驚きに任せてバッ！と顔を上げると、視線は旧多一等の予想外に優しげな笑顔にぶち当たった。
旧多「特別にお貸しします」
『…っ』
そのうち私はこの上官に殺されるんじゃ…？
ストレスとトキメキの温度差で。
みるみるうちに赤くなって行く頬の感覚を感じつつ、私は自分の死を予感した。
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みきざわ(プロフ) - あずまさん» 鼻血どんどん出しましょう！(笑)閲読有難うございます〜！ (2019年1月23日 19時) (
レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
あずま(プロフ) - あぁ…やばい、、、鼻血でるぅ(;´Д`)ﾊｧﾊｧ (2019年1月23日 15時) (レス) id: 97c5686003 (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - えぬ=)さん» ニムラの魅力、少しでもお伝え出来ているのなら幸いです！尊敬だなんてそんな、勿体ない(笑) 嬉しいお言葉、恐縮です！ (2019年1月21日 5時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ=)(プロフ) - ああ……溶けちゃいそうです……← 本当に最高です……前作からずっと思ってたけど最高です……尊敬してます……!何故そんなににむにむの魅力を素晴らしいクオリティで書けるのか……尊敬してます(二回目) (2019年1月21日 0時) (レス) id: ae2a3cb03d (このIDを非表示/違反報告)
みきざわ(プロフ) - ハニーさん» 謹んで新年のお慶びを申し上げます！2019年がハニー様の良き年になる事を願っております... (2019年1月1日 0時) (レス) id: d7c1dbf7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みきざわ | 作成日時：2018年12月16日 18時
