【イナイレ】どうか 生きて 〜不動明王〜

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さっきの人達が

去って行ったのはいいものの








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どうしよう！めっちゃ気まずい！！







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「あの、不動くん________」








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とりあえず呼びかけようとしたが

不動くんはスクッと立ち上がり

何事も無かったように窓から外に

出ようとした







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助けてやったというのに無言で出て行くのか









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って、あれ？

不動くんの頭になんか付いてる…？







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「不動くん、頭になんか付いてるよ。
取ってあげるからじっとしてて。」







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「は？
ちょ、何が付いてるって言うんだよ？」






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「あぁっ！ちょっと、動かないでよ！」






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そう言ってガシッと不動くんの頭を押さえた






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「ぃだっ！
……テメェ。」







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怒る不動くんを無視し、
頭に付いたものを取った






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「あっ、これ…。」







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不動くんの頭にくっついていたものは
桜の花びらだった







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「綺麗…。」







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私は桜の花びらをうっとりと見ていた






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「…んだよ。
桜の花びらなんて今の季節そこら辺の道路に
邪魔になるくらい落ちてんだろ。」






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不動くんはまるで「大袈裟だ」とでも
言いたいような目でそう言ってきた







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「むっ…。
不動くんにとってはそれが当たり前の事かも
知れないけどさ、

私、この外に出る事禁止されてるから

桜の花びら一枚でも珍しいものなんだよ！」








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コンコンッ







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「Aちゃん？声が聞こえるけど、
どなたかそこにいらっしゃるの？」








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私が少し腹を立てて言っていると

病室のドアの外側から

ノックと共に看護婦さんの声が聞こえる







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「あっ、誰も居ませんよ！
テレビの音かな？少し音量下げますね！」







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「あらそう？
あんまり大音量でテレビ見てたら
耳悪くなるから控えるのよ？」







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はーい。と適当な返事を返す。






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自分の病室から遠ざかって行く足音を聞いて
ひとまず息を吐いた









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