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「凍える雪を」
「熱く溶かして」
「TRIGGER」
駅前。TRIGGERのCMが流れるとみんなが足を止めてスクリーンに注目する。
一瞬のメロディー。
周りがどんな曲だろうと期待を膨らませている中、Aは人混みで掻き消されてしまうほど小さく歌を口ずさむ。
と、いうのもTRIGGERの新曲は彼女が作ったから、彼女はその先のメロディーも全て知っている。
彼女自身その曲を気に入っていたし、TRIGGERらしい曲になったと自信を持っていた。
「Aさん?」
背後から呼ばれた自分の名前にAは振り返る。
声で誰かわかっていたため、わざわざ笑顔は作らなかった。
「紡。奇遇だね」
「お疲れ様です!今日はドラマでしたよね…!」
IDOLISH7のマネージャーなだけに、被っている仕事を把握していることにAは苦笑した。
「うん。ドラマの最終日。…JIMAの新人賞、撮ったんだってね。おめでとう」
「ありがとうございます…!ブラホワでもよろしくお願い致します…!」
紡のその言葉に重なって、またTRIGGERのCMが流れる。
紡はスクリーンに目を向けて、Aもなんとなく同じ方向を向いた。
「TRIGGERのCM、かっこいいですよね。新曲も一瞬しか流れてないのに耳に残るメロディーで素敵で、とてもTRIGGERらしいです」
「本当?ありがとう」
Aの言葉に紡は首を傾げた。
Aは曲の詳細は一切発表されてないことを思い出してああ、と声を漏らした。
「あの曲、作ったの私なんだ」
「ええ!?」
駅前の通りの端で話す2人を誰も気に留めないので、Aは先ほどより大きい声を出す紡を咎めなかった。
「あ、これ言ってよかったのかな。一応秘密ね」
「はい…!Aさんが作ったTRIGGERの曲、早く聴きたいです」
素直な紡の反応にAはクスクスと笑った。
「自分でも結構自信作だから楽しみにしてて。…勿論、Dólceの新曲も」
はい、と紡は微笑んだ。
「TRIGGERは憧れでありライバルです、IDOLISH7のパフォーマンスも楽しみにしていて下さい!」
紡の言葉にAはもう一度笑った。
「…それ、TRIGGERに言う言葉じゃない?」
「そ、そうなんですけど…」
「まあいいや、お互い頑張ろう」
あ、あと両親の件解決したんだ。色々話を聞いてくれてありがとう。
Aの言葉に紡はもう一度微笑んで、2人は別れた。
Aは、なんだか元気を貰った気がした。
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高沢 - ドーナツさん» それと、流行りのウイルスや、風邪などにお気をつけて、どうかご健康に過ごしてください、、応援しております。 (2020年5月1日 22時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - ドーナツさん» はい...!全然大丈夫でございます!むしろリクエストに応えていただいてありがたい限りです、、!本当にありがとうございます! はい!ご無理なさらず、ドーナツ様のペースで更新頑張ってください! (2020年5月1日 22時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» 嬉しいお言葉ばかり本当にありがとうございます!これからも更新頑張るので、読んで頂けると幸いです。 (2020年5月1日 17時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» 初めまして!コメントとリクエストありがとうございます!!リクエストの件、喜んで書かせて頂きたいと思います!しかし、今考えているシナリオ上、一部が完結しないと書けそうにないので、それ以降でも大丈夫でしょうか……?勿論、絶対に書かせて頂きます……! (2020年5月1日 17時) (レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - はじめまして、いつも作品楽しみにしております。どきどきして凄く面白いです!突然ですがリクエストをしてもよろしいでしょうか、、もし宜しければ天と夢主の2人の目線からの【独占欲】が見てみたいです。これからも応援しています (2020年5月1日 15時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドーナツ | 作成日時:2020年4月30日 15時