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都心の主要駅から徒歩10分。表通りから少し離れた裏道にあるカフェ。
実緒は夏の日差しを感じながら指定の店に入った。
中は薄暗い。その割に空調が効いていて肌寒さを感じる。
奥にあるグランドピアノが妙に存在感を放っていた。
店は貸し切りにしてあり、店員もいないと聞いている。そのせいか人の気配を感じない。例のもう1人はまだ来ていないのだろうか。
しかし、店の奥へ足を進めるとそうではないことに気づく。
「……寝てる？」
水色と呼ぶには淡い、かといって真っ白というわけでもない不思議な髪色の少女が、カウンターのテーブルに伏せている。
(…綺麗な子)
顔は見えないが、細いながらに芯の通ったサラサラの髪、細く長い手足、骨格は華奢で女の子らしいが細すぎるわけではない。肌は白く爪の先まで綺麗だ。
腕を枕にして静かに寝息を立てる彼女の手にはペンが握られており、腕の下には書きかけの五線譜がある。
紛れもなく、この子が億宮Aなのだろう。
確かにあれだけの才能を持っていて、これほど整ったスタイルなら極秘扱いされるのも納得だ。
初対面の人を起こす勇気はないため、取り敢えず彼女の隣の席に腰をかけて起きるのを待つことにした実緒。
店内を見回している時、カランとドアを開ける音がした。
「あら、もう揃ってたのね」
入ってきたのは黒髪の女性。つり目がちだが厳しそうな印象はなく、穏やかな大人の女性、といった雰囲気だ。
「えっと…どちら様ですか？」
「ああ、ごめんね。私は山崎美咲。2人のグループのマネージャーに任命されたのよ」
恐る恐る聞く実緒に美咲は答える。
その解答に実緒はほっと息を吐いた。社長がアレだったため不安だったがマネージャーは優しそうな人で良かったと心底安心した。
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ドーナツ(プロフ) - 高沢さん» ありがとうございます〜！こちらはかなり不定期更新となってしまうと思いますが、本編共々よろしくお願い致します！ (2020年5月30日 6時) (
レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
高沢 - 番外編…！ありがとうございます！！楽しみにしています！！ (2020年5月29日 23時) (レス) id: a364a1dba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドーナツ | 作成日時：2020年5月28日 21時
