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ベッドは2人で寝ても窮屈ではなかった。天は歳の割には小柄であったし、彼女もかなり細身だった。
そんなベッドの真ん中に向かい合う天とAの間には何とも言い難い空気が流れて居た。
今まで自分以外の温もりが無かったベッドには今、Aの温もりがある。
たった一人の温もりがあるだけで酷く安心している事に気がついた。
彼女の言って居たことはあながち間違っていなかったのかもしれない。
「どう？寝れそう？」
Aが天の手を握って言う。
その手には外にいた時の冷たさが微かに残っていた。
「さあ」
彼女の言葉に素っ気なく返してしまう。
それは天なりの照れ隠しだったのか、本当にわからなかったのは定かではない。
「じゃあ、少し話そうか。」
そう言って話題を探し出すA。
彼女と出会って間も無いが、彼女が饒舌なタイプでは無いことは何となくわかっていた。
だからか、話題を探そうと気を使ってくれる姿に胸が暖かくなった。
「天は、何でアイドルになろうと思ったの？」
「え………」
しばらく硬直していた天に、Aは気を使って話題を変えようとしたが、それを天が遮った。
「子供の頃から憧れだったんだ。」
「人の心が幸せの色に変わる瞬間を創りたかった。たった一人だけじゃなくてもっと、大勢の。多くの人の心を幸せで満たしてみたい。」
天の言う、『たった一人』は双子の弟の陸の事を指していたのは言うまでも無い。
だが、そんな事は全く知らないAはまた口を開く。
「『たった一人』って、大切な人でも居たの？」
"双子の弟が居た。"
そんな簡単な一言が何故か出なかった。
大切な弟が居たのに家族を捨てた事を軽蔑されるかも知れない。
また天は黙り込んでしまう。
「……寝れなかった理由って、それ？」
図星だった。弟が隣に居ないだけで。
この道を選んだのは自分なのに。
寂しさに押しつぶされそうだった。
その刹那、彼女の華奢な身体が天の身体をふわり、と包み込んだ。
「天、大丈夫だよ」
その温もりはとても心地よくて、天の気持ちを落ち着かせた。
「元はと言えば私が、変なこと言ったから、だよね。ごめん」
そう言ってまた話題を探し始めるA。
深くまで踏み込まない距離感だが、その青くて透明な瞳には、なんとなく全部見られているような気がして、やっぱりその瞳は苦手だと天は思った。
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ドーナツ(プロフ) - わあ…！ありがとうございます〜！！お友達さんとは仲良くなれそうです…！笑 嬉しいお言葉ばかり、本当にありがとうございます…！こちらこそありがとうございました！ (2020年6月7日 12時) (
レス) id: f19df2fce1 (このIDを非表示/違反報告)
via - 私の友達がアイナナ大好きなんですよ！しかも、推しが同じだったはず…言葉での表現の仕方が凄く上手くて、簡単に小説の光景が思い浮かびました。凄く面白かったので友達にもオススメしてみようと思います！イベントに参加して頂きありがとうございました！ (2020年6月7日 9時) (レス) id: 124b642d9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドーナツ | 作成日時：2020年4月1日 0時
