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私は志麻くんとセンラさんに浦田先輩に話したことをそのまま話した。
嫌われたい人が真冬ということは伏せて話した。
志麻くんとセンラさんは、浦田先輩と一緒で、特に驚いたりはせずに私の話を聞いていた。
「・・・うらたんがねぇ・・・」
話終わってのセンラさんの第一声がそれだった。
浦田先輩と同じように、反対する素振りはない。
なんでこの人達は私のことを否定しないのか、不思議に思う。
「浦田さんお節介やもんな・・・昔からやけど」
『ふーん、そうなんだ?』
浦田先輩はお節介というよりかは、優しすぎて騙されそうという印象の方が私は強かった。
でも、たしかに初対面のときなんて、浦田先輩からすごい話しかけてくれたし、話すきっかけを作ってくれたし、話題をよくふってくれた。
なんていうか、私にとっては完全に近所のお兄ちゃん感が強いというか、お世話好きなお兄さん?みたいな感じだけれども、幼馴染みだからそういう風に感じるのかもしれないから、私の考えは心の奥底に閉まっておいた。
「うらたは、ことあるこどに人助けやで?赤の他人のことまで助けたこともあってん」
「それに毎回振り回されるてるんよ・・・」
思い出しているのか、呆れたような顔に変わった二人の顔。
私はそれに笑ってしまう。
『でも、そういうとこも好きなんでしょ?』
私がそう聞くと、二人は1、2秒くらい間をおくと、私から目をそらす。
「まぁ、うらたんはなんだかんだ言っても、ずっと手引いてくれてたからな・・・」
「毒舌だけど優しい人やからな・・・」
幼馴染みだからこそ、友達ではこの部分めんどくさいから嫌だと思うことも受け止められる。
だって、それがその人の良いところだとよく知っているから。
なにより、それが素だとよく分かっているから。
「・・・そんなことより・・・A、嫌われる方法教えたる」
「それが本題やしな。まず、無視は基本」
「しつこかったら怒鳴るのも手やね」
私は少しの間に苦笑したあと、二人の答えに頷きながら聞いた。
二人は、あとは・・・と方法を考えながら、私のことをチラッと見た。
「・・・Aはさ、誰に嫌われたいん?」
『・・・すぐに分かるよ』
私よりもずっと一緒にいた君達なら。
私は自傷気味に微笑んだ。
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あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» ありがとうございます。私は東京なのでいつ感染するのかとビクビクしていましたが、桜鈴さんのコメントを見て頑張ろうと思いました。桜鈴さんもコロナに負けずに頑張りましょう。 (2020年4月13日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - これからも頑張って下さい。コロナウィルスに負けないよう、群馬から応援し続けていますね。 (2020年4月13日 7時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» コメントありがとうござます。私もこんな物語があったらと思って書いていることが多いので、同じ気持ちの方がいてくれて嬉しいです。私の作品を見て泣いてくれてありがとうございます。 (2020年4月12日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - 何度か、泣いてしまいました。こんな物語があったらよかったのに。 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/
作成日時:2020年1月18日 15時