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歩くこと数分、別れ道が来て優とはわかれた。
そして一人で歩いていると、急に後ろから声をかけられた。
それは聞いたことのある声で、振り返った。
すると、そこには真冬の姿があった。

「なんか元気なさげですね・・・?」

『お前のせいで一気に元気なくなったわ』

「えっ・・・」

2人並んで歩きながら会話をする。
なぜ再試もない真冬が外を出歩いているのか、それが知りたいが、聞いてもいいのか迷う。
昔は、私が真冬の家に行かなきゃ遊びになんて行かなかったくせに・・・
そう思い、チラッと真冬に視線を向けた。

「ん?なんですか?」

『は?何みてんの怖』

「いや見てきたのそっちですよね!?」

見た瞬間に目があって、フイと顔をそらした。
まだテスト前日の時の記憶が鮮明に残っている私としては、目を合わせて話をしたくない。
きっかけがあるごとに思い出してしまうから。

【Aもアイス食べよ!】

・・・昔は、こういう暑い日には、二人でアイス買って公園で食べてたような気がする。
ほとんどが家でゲームとか話すとかだったけど、たまに外に出て公園で遊んで、話して。
外も中も、全部が楽しくて好きだった。
それも全部、真冬は忘れてしまったと考えれば考えるほど、悲しくて、辛い。

『・・・んで・・・なんで・・・私のこと・・・忘れちゃったんだよ・・・バカ真冬・・・』

ついポロッと出てしまった本音。
真冬はなんで私がそう言ったのか分かっていないからなのか、驚いたような顔をしていて、でもどことなく困ったような感じの表情をしていた。

『・・・先帰る』

「あっ・・・待って・・・ください!」

私が走ろうとすると、私の腕を掴んで、走るのを止めた真冬。
困惑した表情が、私に向けられる。

「今の・・・どういう意味ですか・・・」

知ろうとしているのは分かるけど、それを真冬本人から聞かれると、忘れたと言われているようで泣きそうになる。

『・・・・・・お前のそういうとこ・・・・・・本当に嫌い』

私は掴んでいた手を振りほどくと、今まで来た道を走って戻った。

。→←6章 病名は恋



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作品ジャンル:恋愛
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あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» ありがとうございます。私は東京なのでいつ感染するのかとビクビクしていましたが、桜鈴さんのコメントを見て頑張ろうと思いました。桜鈴さんもコロナに負けずに頑張りましょう。 (2020年4月13日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - これからも頑張って下さい。コロナウィルスに負けないよう、群馬から応援し続けていますね。 (2020年4月13日 7時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)
あづの ひみ(元朝日菜薔薇)(プロフ) - 桜鈴(みすず)さん» コメントありがとうござます。私もこんな物語があったらと思って書いていることが多いので、同じ気持ちの方がいてくれて嬉しいです。私の作品を見て泣いてくれてありがとうございます。 (2020年4月12日 11時) (レス) id: 519239ae11 (このIDを非表示/違反報告)
桜鈴(みすず) - 何度か、泣いてしまいました。こんな物語があったらよかったのに。 (2020年4月11日 23時) (レス) id: 3e552d64a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あづの ひみ(元朝日菜薔薇) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/AdAsnhmp/  
作成日時:2020年1月18日 15時

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